裏側

□1.5
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その日はいつもと変わらない日だった。何か違和感があるとすると少し胸がざわつくぐらいだった。それは多分、リボーンが学校に現れていない事も含まれていだろう。朝、何かを企んでそうな顔で見送りをされて以来、下校時間まで現れていないことに不安を感じているんだと思う。

「…10代目、大丈夫ですか?」

獄寺君が心配そうに声をかけてくれる、俺は大丈夫と一言答えると深いため息を吐きながら家へと帰るために重い足を動かした。しかし、帰宅中には何も起きない。この曲がり角を曲がれば家だ、やはり自分の気にしすぎだったのだろうと、安堵のため息を吐くと勢いよく角を曲がる。

「な、なにこれーー!?」

家の前には黒服を着た人達で溢れかえっていた。俺は嫌な予感を感じながらも家の玄関を開く、母さんが珍しく鼻歌を歌いながらお茶菓子の準備をしていた。帰ってきた俺に気がつくと早くリビングに向かうように急かしてくる。慌てて荷物を置いてくるとリビングで駆け込む、そこにはリボーンと9代目…その隣には見たことの無い女の子が座っていた。彼女は終始笑顔で、俺の姿を見ると勢いよく立ち上がり側まで駆け寄ってくる。そして流暢に日本語で挨拶をしてきた。

光の守護者……ボンゴレに数世代に渡り、現れる不思議な存在だという。因みに反対の闇の守護者もいるらしいが、まだ現れていないとリボーンから付け足される。

「今回、この子を綱吉君にお願いしようと思っていてね。」

9代目の言葉に耳を疑った、それって俺に10代目しろってことだよね?!と反抗するが、リボーンに飛び蹴りを食らわされた。それでも無理だ、と反論すると彼女が近づいてきた。

『…お願いします、10代目。私の存在意義を消さないでください。』

さっきまで笑顔だった彼女の顔は酷く悲しそうな顔になっていた、その顔を見ると凄く胸がザワつく……これ以上はダメだと感じたため渋々だったが口を閉ざした。

「…わかったよ。でも俺は直ぐにボンゴレ10代目になるわけじゃないから」

『…ありがとうございます。10代目』

眉は下がっていたが、柔らかく彼女は微笑んだ。
9代目がホッとした様子で胸をなでおろしていたのが
見えた、その意図を聞こうと口を開いたが隣の家庭教師からの一言でそれは叶わなくなった。

「次いでに、コイツはここに住むからな」

俺の驚愕の叫び声と丁度遊びに来た2人にこの後どう説明するべきか……


〜とあるボンゴレボーイの話〜
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