隣の席の蘭丸くん
□Last
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あの水攻め事件から一週間。
いや、別に事件ってほどの事件じゃないけどさ。
まぁ、時間が経つのは早いものでもう一週間だ経った。
あの日以来、美鈴さんに会うことはなくて…。
なんかもっとしてくるかと思ったけど、そんなこともないみたい。
「相川さん、ちょっとよろしくて?」
「へ!?……美鈴さん…?」
噂をすればなんとやら。
噂っていうのか微妙だけど…。
「あの、お話がありますの。」
「話し…ですか?」
いつになく真剣な美鈴さんの顔。
なんか、いつもと違う。
「ちょっと待て。」
突然私と美鈴さんの間に割って入った蘭丸くん。
「うわっ、蘭丸くんどこから来たの!?」
「いや、たまたま相川見かけたらこいつといたから、ちょっと止めに入ってみた。」
「そ、そうなんだ……。」
う、嬉しいけど、目が怖いよ、蘭丸くん!
「でさ、相川にどんな用なの?また前みたいな事だったら、オレ、許さないけど?」
「もう相川さんには何もいたしませんわ。今日は…その、謝りに来たのです…。」
「ふーん、謝りに?ここで?」
「いえ、ここでは他の方に迷惑がかかりますわ。屋上に来ていただけませんか?もちろん、霧野様が一緒でも構いませんわ。」
「ら、蘭丸くん、行ってもいいんじゃないかな?」
「あぁ、もしも何かあったらオレが守ってやる。」
「あ、あ、ありがとう……。」
守ってやるなんて言われると顔が赤くなる。
好きな人から守ってやるだなんて言われたら幸せすぎるよ……。