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□勇者300 interval (1)
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[勇者300〜interval]
【1】
賢者を助けに北の城〜世界の破滅まで289秒─。
─勇者は必ず来る、あれはそういう男だ…─
「…あれからどのくらい経ったんでしょうか賢者さま…」
「……」
「鍋もいい感じに沸いてきて息苦しくないですか賢者さま…」
「……」
「賢者さま相づち打って下さいよ〜独り言みたいでむなしいです〜賢者さま〜っ!!」
「息苦しいなら黙っていろ。無駄な体力を使…!!」
途端に賢者は、良く解らない色の蒸気を吸ってむせた。
長い旅の末、勇者を復活させた賢者(と騎士)だが、一緒に超魔王も復活してしまい、突如湧いた魔物に捕まった2人は、煮たぎる巨大鍋の上に、みの虫よろしくロープで吊られていた…。
「(賢者さまっ大丈夫ですか〜??)」
早速学習した騎士が、小声で心配した─その途端、鍋の周りの魔物が騒ぎ始めた。
「何ダ!? オ前ハ〜?!」
「ふははは貴様らに名乗る名などないっ!!何故なら秒☆殺!!してやるからだっ!!」
「賢者さまっあの人っ!!」
「うむ、あのパンイチ…勇者…っ!!」
賢者は再びむせた。
「ハハハ具材ガ増エタゾ!!今宵ハ勇者鍋、ダ〜?!!」
ザコは文字通り瞬殺された。続いて勇者は鍋を殴る殴る殴る。
…2秒かかって鍋を倒した。(深く考えちゃダメだ。)さらに続いて2人を地上へ降ろす。
「助かりました勇者さまっ!!」
「うむ、必ず来てくれるものと信じていた!!勇者よ!!」
迷わず賢者のロープを解いていた、勇者の手が止まる。
「んだ男かよ…」
がす。締め付けが緩んだ賢者に、勇者は杖で殴られた。
「あのっ自分のっロープも解いて下さいっ」
騎士の辞書に[空気を読む。]という言葉はない。(そもそも辞書もない。)勇者の傍らで、みの虫のまま跳ねている。
「…あ〜解った…つか、じっとしろっ!!解けねぇ!!」
「…勇者よ、次は東の祠を目指せ…詳しい話はそれから…」
「待って!待って下さい賢者さまっ自分まだ解けてませ…」
「苦労してんな、お前…。って動くなって!!」
ともあれ一行となった3人は、賢者に導かれ、東の時の狭間へと向かった…。
⇒to be continued…??
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