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□勇者300 interval (9)
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[勇者300〜interval]
【9】
最後の砦(西の塔)今度こそ黒騎士〜世界の破滅まで103秒─。
「久しいな、女神の戦士よ…」
「ああ。…てっきりアンタが先に来る、と思ってたんだがな〜」
勇者が剣を抜きながら、歩み寄って応じる隣を、白くて丸いモノが2つと、騎士が駆け抜けて行き…
強大な黒騎士の愛馬に突っ込むと、早速翔んだ。
「…む??」
「いや、コッチの話だ。気にすん、なっ!!」
がしーん!!きんきんききん。
間合いに到達した勇者のダッシュ突きからの剣撃と、王女のボウガン波状乱射を、騎馬の漆黒の装甲は、金属音を響かせて弾く。
──いいか騎士??ヤツとの勝負は8、いや6秒で付ける。
はいっ!!…って早っ!!
何度も言うが、とにかくヤツの突進リスクは高い。前衛の俺達がカギだ。…初期位置に釘付けにして翔ばす!!
解りましたっ勇者さま!!──
↑以上、最上階直前の現場からでした。(騎士は、フライングしたワケじゃなかったのだ。)
「超魔王は目醒めた。世界の破滅は、止まらない…」
「させ、ねぇ、よ」
作戦通り、勇者が黒騎士を押し留めているそばへ、白くて丸いモノが3コ跳ね返って、騎士が再び突っ込み、再び翔ぶ。
「時を統べる女神も、もういない。
ただの人間のお前に、何ができるッ!?」
「……っ?!」
黒騎士は槍を構え、次第に力が高まっていく。
突進が近い。
「世界の終わりに、絶望せよッ!!」
「それでも…っ!!」
「勇者さまぁっ!!」
勇者は騎士の3度目の突撃に合わせ、渾身の剣を突き出す。
「世界の破滅はっ、させねぇ〜!!」
2人の剣圧で、黒騎士は翔んだ。
しかし、急に標的の消えた騎士は、止まれなかった。間の悪い事に、やっと召喚されたドッゴムが後を追い…。
「えええええ〜?!」
どがぁ〜ん!!!(ばらばらばら…)
前方の石壁への激突音に続き、壁の崩落音と雷鳴に、間延びした悲鳴が微かに交じった。
すでに踵を返していた賢者に、唖然としていた王女と魔王が慌てて続く。
勇者は素早く金を拾うと、殿(しんがり=最後尾)で塔を駆け下りた。
騎士の落下地点は案外、塔の出入口近くだった。瓦礫の上でへたり込んでいる所へ、勇者が駆け寄る。
「大丈夫だったか〜!?」
「は、…いててて…」
「ああ、治癒だけで済んだ。」
賢者が状況を伝えている間に、騎士は地面に降り立った。
勇者が魔王に向き直る。
「…魔王、」
「ハロウホロウは、1番早く喚べるのだ!!そこからドッゴムを喚ぶと、隙がなくて早いんだっ!!」
魔王はミレニアを抱いて、怯えている。勇者は確かに言った。ハロウホロウ(下っぱ)喚んだ=捻斬って泣かされる!!
…走馬灯が、振り切れんばかりに高速回転!!といった心情である。
「…いや、グッジョブ!!
デケェの喚ぶの、時間かかんだろ??短期決戦には…ま、結果オーライだ」
「勇者…」
勇者が親指を立てて、笑顔を見せると、魔王は困惑から涙目になった。もちろん安堵だ。
「ラスボスでやりやがったら、タダじゃ置かねぇけどな。ん〜じゃ悪ぃけど、ぶっちゃけ金が足りないんで、狩るぜ!!目標@1200!!」
次の瞬間、立てた親指を下に向け、低い声で言い放った前置きに、魔王が再び震え上がったのは、言うまでもない。
「はははは…さらばだ妖精な俺!!」
「ようやく、目が慣れて来た所でしたけれど、よかったですわ…」
ホワイトホースとブレイブクラウンを入手して、勇者はようやく花冠を卒業した。
…王女が、みんなが…目を合わせてくれるって、素晴らしい。
ある意味、呪いのアイテムだった…。
3度目の終わランチを食べ終わると、一行はこの大陸の祠に向かった。
「これは…最後の祠だな。」
「流石に、凄ぇプレッシャーだ…」
祠が、
本当に先に進むか、
問い掛けて来る。
賢者の検分にアイコンタクトで頷き合うと、一行は祠の前からかき消えた。
⇒to be continued…??
何か黒騎士戦が大味〜。
てか、残りカウントと所持金の辻褄合わせが大変でf(^^;←一応合いますよ。本当です。
合言葉は出てこいエビルロブスター!!(苦笑
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