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□ハロウィーン
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さてみなさん、ご機嫌いかがですか?
僕はすごぶる悪いです。
双子のもう一人、ジョージ君の、一緒にいような!発言からしばらく経ちました。
今日ホグワーツはハロウィーンです。
「フレッド君!ハッピーハロウィーン!」
「やぁマリア。」
今ジョージはお菓子をとりにいってるため、マリアは俺と一緒にいる。
俺よりだいぶ低い身長のせいかマリアの頭を自然となでてしまう。
撫でたくなる位置にいるのだ、仕方ない。
「えへへ」
マリアは嬉しそうに笑う。
ああ、こんなところジョージに見られたら俺は明日のアンジェリーナを拝めないな。
「ジョージはやく来るといいな。」
「うん、はやく来てほしいなあ!」
鸚鵡返しに答えるマリアは本当にジョージが来るのが待ち遠しいようだ。
もう何でお前たちは付き合ってないんだよ。
「おい、フレッド。」
そう思った矢先、いつもより低い声が俺を呼んだ。
この声はジョージだ。声が離れろと言ってる。
勘弁してくれよ、もう離れてるだろう、と文句を言ってやりたいが今のジョージに言ったら確実に俺に明日はない。
さすがにアンジェリーナに会えなくなるのは辛い。
「あ、ジョージ君!」
マリアはそんな変化に気づいてるのかいないのか、一目散に相棒に抱きついた。
そう、抱きついた。
「マリア、寂しかったかい?」
「うん、ジョージ君遅いよー!」
「ごめんな、これでも急いだんだぜ?」
「うむ、ならば許そう。」
ジョージは視線を俺からマリアに移し、ラブラブしはじめやがった。
俺はもう空気と化している。
「あぁそうだ、お菓子いっぱいあるんだ!」
「本当だ!食べていいの?」
キラキラと目を輝かせて目の前のお菓子の山を見るマリア。
「その前にマリア、トリックオアトリート!」
素晴らしい笑顔でそう言うジョージ。
ああ、だんだんと相棒の狙いが分かってきたぞ…。
そういえば関係ない話になるけど俺、最近ジョージと双子やめたいと思うようになってきたんだよな。
「えっ、私お菓子持ってないよ?」
「え、持ってないのか?」
やめろジョージ、その後の言葉は聞きたくない。
容易く予想ができる自分が怖い。否ジョージが怖い。
「じゃあマリア、いたずらだね?」
妖しく笑った弟に、兄である俺はめまいがした。
そしてマリアはきっと弟の色気にやられて、めまいを起こしただろう。
ハロウィーン
(これ以上お兄ちゃんを悩ませないでくれ、老けるから。)
カッとなって書いた。