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「おはようフレッド。」
「あぁ、おはよう。」
優しい笑顔であいさつを返してくれるのは、私の世界で一番大好きな人。
その優しい声が大好きで、その優しい眼差しが大好き。
1年生の頃から仲良くて、1年生の頃から大好きなフレッド。
ずっと変わってない、変わってないと思いたい。
でもそれは私の願いにすぎなくて、あの頃から変わったことは沢山ある。
彼の背は高くなったし、私は丸くなった。
もちろん身長は彼より20cm以上低い。
あとね、昔より彼が好き。大好き。
だからなのか、彼の些細な変化にもすぐ気がつくようになってしまった。
「ねぇ、フレッド」
「何だい?」
覗き込んだ彼の顔は、1年生のとき以上にかっこよくてドキドキしてしまう。
でも同時に少し悲しくなるの。
「どうして、私の名前を呼んでくれないの?」
意地悪な質問だって分かってるけど、つい出てしまった。
「君が、嫌いだから。」
彼が嘘をついてることくらい分かる。
毎日何年も彼ばかり見ていた私には分かるよ。
だからそんな辛そうな顔で言わないで。
フレッドの辛い顔なんてみたくないよ、私も辛くなるじゃない。
本当はフレッドに名前を呼ばれないのは辛いんだよ。
こんなに辛いなんて、君のせいだね。