ReversetripGame

□序章
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卒業式も終わり終業式までの残りの時間を過ごしている今日この頃。

そんな昼下がり、何やら可笑しなことが起こった模様。


いや、2人で遊んでただけなのに…。

部活やらバイトやらでなかなか休みが合わない私たちが久しぶりに思いっ切り遊べると思ったらなんでしょう、この仕打ち。



「痛ったー…。」

「ホンマに痛いんスけど…。」



突然目の前が光ったと思ったら首根っこ掴まれたイケメンが2人登場してきました。

そのまま床に落とされた2人。


銀髪のイケメンと、黒髪のイケメン。


いやいや、まさか。

でも…。



「え、仁王…?」

「ひ、光…!!財前光!?」

「「!!」」



漫画やら、アニメやらで見たことのある私たちの大好きなキャラたちにそっくりな人たち。

何が起こっているのか理解できない…。



「あー、もう!暴れるから落としやったじゃないかぁ!」



首根っこを掴んで床に落とした人型の浮遊物体が話し出す。

背中に白い羽生えてる…。



「あ、僕は神。悪いんだけど、この2人お世話してもらえる?」

「「は?」」

「知っての通りこの2人たちはテニスの王子様のキャラクター。名前は…、さっき言ってたし分かってるよね。」

「…ちょっと待ちんしゃい。どういうことなんじゃ?」

「意味わからへん。わかるように説明してや。」



床に落とされてから呆然としていた2人も、いきなり連れてこられてお世話されるとか言われて黙ってはいられないようで口を開いた。


こっちだって何一つわかっていない。


これがよく小説なんかでみる逆トリってやつなんですか…。



「いやー、それがね、君たちの世界に入ってはいけない人物が入ってきちゃったんだ。」



要点を掻い摘んで説明するとこういうことらしい。


この自称神とはまた別の神がテニスの王子様の世界に女の子を1人トリップさせてしまったらしい。

それで、何やらたくさん補正がついていて世界が崩壊し始めてるから、それを修繕するために一時的にこっちの世界で預かってほしいということらしい。


この自称神は随分と位の高い神らしい。


そうは見えないけど。


時間の流れなんかも、あっちに残されたメンバーに怪しまれないように、こっちが1日過ごすのに対して、あっちは1分っていう設定が施されているらしい。


だから2ヶ月こっちにいたところで、あっちでは1時間。


ちなみにこっちに送り込まれたメンバーっていうのは、トリップ少女が狙っているメンバーなんだそうだ。



「わかったかなー?」

「…まぁ。」

「んま、せっかくだし楽しもーよ。」



こっちに連れてこられた2人も一応理解したようだ。

コクンと首を一回縦に振った。



「じゃあ、僕は仕事があるから!あ、そうだ!これ、お世話してもらうにあたってのお礼だと思って!それじゃ、仲良くねー♪」



私たち2人の手には黒いカード。


ブラックカードっていうやつですか…!?

生活費とかそういうことなのかな。

まぁ、生活してたら嫌でもお金はかかるしね…。



「「えぇっと…、よろしくお願いします…?」」

「何で疑問形?…よし、ここまできたら私も腹括るよ。私は七咲#NAME2###よろしくね。」

「何か楽しそーでいいね。あたしは久城澪。よろしく!」



警戒心を解いてもらおうと笑顔を浮かべる。

2人とも一人暮らしでよかったとこれほど感謝したことはないだろう。

親がいたらなんて説明したらいいのやら…。



「あ、二人ともどうしようか。1人ずつ預かりってことでいいかな?」

「そだね。そーしよっか。」



2人ともカードもらっちゃったし、まぁ同じマンションに住んでいるから会いたい時はいつでも会える。

さぁ、どっちがどっちを引き取るかが問題だ。



「さて、どっちがどっちと暮らす?」

「そうじゃのぉ…。」

「ほな俺は澪のところでいいッス。さっき呼ばれた方の家に行くのはどうッスか、仁王先輩。」

「そうじゃな。じゃあ、そうしてもらえるかのぉ、乃逢さん?」

「おーけー、おーけー。了解したよー。澪はそれでいい?」

「いいよ、乃逢!」



暮らす家も決まり、一応生活はできそうだ。

ここから私たちの波乱万丈な生活が幕を開ける。


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