BOOK


□リクエスト
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リクエスト作品です。
正守と良守で限の取り合いです。



















「志っ々尾ぉぉぉーーーーーっ!!!」

雄叫びのような大声と共に、面倒な奴がものすごい速さでこちらに向かってタックルをかましてきた。

「ウゴッ」
「志々尾ーっ 今日、俺志々尾ン家泊まるかんなっ」

抱きついてくる、子供のように細い肩を、自分から勢いよく引っぺがす。

「なんなんだ! いきなりっ」

「だって〜!!」

引っぺがさせてもなお、くっつこうと腕を伸ばしてくる墨村の頭を鷲掴みにして、なんとか、抱きつき(タックル)から逃れようと手に力を入れる。

「いだだだだっ いだぃっ志々尾痛いって!
 あっ なんか出るっ!出てはいけないなんかグロイもんがでそう!!」

「じゃあ 抱きつこうとするのやめろ!!」

やっと離れていく腕に、ため息をこぼした。

「なんのようだよ」

「今日泊めて!」


「うわっ なにその嫌そうな顔っ そこまで露骨だと、いっそ清々しいな」

「……なんでお前を泊めなきゃいけないんだ」

「と、友達じゃん。 なんでもいいだろっ」

「え………」

「うぇ!?」

「友達…? いや…なんでもねぇ……」

「えっ ナニコレ 友達じゃないと言いたいの。 え、俺だけ?友達って思ってたの。 え、やだ。涙でそう」
俯いて肩を震わせている墨村の姿に、胸に罪悪感がふつふつと浮き上がってくる。

「いや!! そういう意味じゃなくてだな!」

誤解を解くために必死で言葉を紡ぐ。

「じゃあ、どういう意味なんだよ!?」

鼻声の墨村の声。
どうしてこうなった。
俺が悪いのか?

「あー… だから」

「なんだよ…。俺は勇気だして『友達』って言ったのに…」

「うっ」

「もういいよ。………ごめんな、今まで」

「ちょっ は!?」

くるり と踵を返してさろうとする小さな背中。

「…………ッ う、嬉しかったんだよっ」

「は?」

「だからっ 嬉しかったんだよ!と、友達とかっ」

「いいの…? 友達って思って」

「…勝手にしろよ」

「ッ!!! 志々尾ー!!!!」

「うごっ!!!」









「友達なんだから 泊めてくれるよな?」

「!?」
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