短編

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白石は、疲れていた。





今日は四天宝寺中学の入学式。
つまり新入生を部活に招きいれようとするのはどこも同じ。


テニス部も例外ではない。


白石はずっと受付に忍足と一緒に座っていたのだが、しょうしょう癖のあるもの達が入部してきた。

その中で特に印象が強かった、というかそいつしか頭に残らなかったのが遠山金太郎という野生人で暴れまわってはその辺のものを壊していく。
しょうしょう手懐ける方法を考えなくてはならないな。


まあもう疲れて1人でぐったりとしているとテニス部顧問の通称オサムちゃんが来た。


「よーうよーう白石ぃ。新入部員はどうやあ。」

「相変わらずっすわ。多少気になるやつも少しはおりましたけどね。」

「そうかそうかあ」



相変わらずのオサム。いつも部活のことは白石に任せっぱなし。それでいいのか?と思うときもあるが。


部室で煙草を吸おうとしたオサムに白石は部室は禁煙、と言って取り上げた。




オサムは白石にしぶしぶ煙草を渡して、突然思い出した!という顔をして言った。



「そういえば、新入部員の中に千歳とかいうやつまじっとらんかったか?」


千歳?どこかで聞いた名前だったか。



「ほらほら、えらい体がでかくてモジャモジャの髪しとる中3の千歳や」



「ほら…九州弐翼の…」



思い出した。九州二翼の、千歳、千里。
九州二翼は2人ともテニスはやめるという噂を聞いたが。



「入学届けしてきた時におうたんや。テニス部、はいるんちゃうか。とゆうわけで白石、頼むわ」



面倒事を全て押しつけてくる顧問に対し、しょうしょう不満があったものの、九州二翼と呼ばれた人物のテニスにも興味があったので白石はその面倒事を了解した。








(そのころはまだ何も知らない)(知りたくても知れない)

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