『花』小説2

□モンハンパロ
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「は〜…今から狩りとかさあ…ちょっと俺様休んで良い?」

「馬鹿者、怠けるな」

「え〜」



お風呂に浸かりながら一息、幸村と佐助はまったりとくつろいでいた。…否、くつろいでいるのは佐助だけで、幸村は狩りに行く気合いを溜めている真っ最中である。



「なあ暗虎、ゆっくりしてたいよなあ」

「にゃ〜」

「…飼い主に似てのほほんとしておるアイルーでござる」



佐助がパンと手を叩くと、暗虎と呼ばれたアイルーが釣られてひょいと手を叩く。「にゃおにゃお」と手を叩き小躍りし始めた子猫を見て、幸村が呆れた風に笑っていると不意に頭上から大きな声が飛んできた。



「はいよー、ちょっくらごめんよ!!」

「「のわっ!?」」



ばっしゃーん!

幸村と佐助が同時に声を漏らし、頭上から振ってきたのは人間だった。あまりの勢いに暗虎と紅虎が流されてしまう。





「ちょ、前田の旦那!げほっ、ごほ…鼻にお湯入った…」

「慶次殿…もう少し静かに入って下され」

「ははは!悪いねえ、勢い余ってついさあ」



佐助と幸村はすっかり頭から濡れてしまいまるで撫でつけられた鼠の様である。飛び込んできたのは前田慶次という男で、幸村や佐助と仲の良いハンター仲間でもあった。彼の無茶振りには多少慣れている二人は、怒ってはいないものの多少呆れたような顔をする。

慶次が飛び込んでから暫くして、とととと走って来たのはアイルー…ではなく小さな小猿だった。慶次はお供アイルーを連れていく変わりに、いつもこの小猿、夢吉を連れている。



「で、二人とも今日は何を狩りに行くんだい」

「旦那といっしょにティガ亜種」

「俺も連れてってよ。丁度暇なんだ、」

「だって旦那。どうする?」

「仲間は多い方がいい。よろしく頼むでござる」

「こちらこそ〜ってね!夢吉よかったな、今日の晩飯取りに行こうぜ」

「きー!!」

「…え…まさかティガ食うつもりじゃないでしょうね…」



そのまさか。さて、ティガと呼ばれる、ティラノサウルスを四つん這いにしたようなモンスターは、はたして美味しかったのかどうか。…まあ、それはまた別の話。





おしまい
つづく〜

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