【DB小説】ピッコロさんは俺の嫁!
□エピソード7 【秘められた力・主人公覚醒!?】
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「話は分かったが。その錠が気を押さえ込むためのもので、他はただの飾りとは考えられないか?そもそも、あの架音がこれだけの気を隠してたってだけでも驚きなのに、その上があるだなんて俺には想像もつかない。」
説明を聞いても未だに信じられないヤムチャ。
「でも、悟空もピッコロもこう言ってることだし。」
そりゃあ、俺だって想像はつかないけど・・・。と暗い顔をして言うクリリン。
「そうだな。何も無いのに普通の人間が100sもの重りをつけて生活するだろうか?俺が聞いている限りでは架音は別に武道家を目指して修行をしていたわけでもないようだしな。」
こちらも信じたくはないが信じる他無い。といった風に、諦めたような納得の仕方をする天津飯。
「どちらにせよ。行ってみるしかなさそうだな。」
ピッコロの言葉に同意し、一同はすぐさま架音とべジータのもとへ向かった。
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ところ変わって架音のもとにいち早くついたべジータ。
未だに架音は放心状態で体内に溜まった気を放出し続けていた。
(近くで見ると、思ったより量が多かったな・・・・・)
それでも、俺様には敵わんが。と、勝ち誇ったように笑うべジータ。
そして、架音に向かって怒鳴る。
「おい、貴様!」
架音は意識を失っているため、もちろん返答はない。
「返事はないか。ならば、少しだけ俺様の実力を見せてやる。光栄に思うんだな。」
バッと電光石火の如く架音に詰め寄るべジータ。
だが、次の瞬間・・・
「ガッ・・・!?」
架音に蹴り飛ばされて近くの岩山に叩きつけられる。
まさか、反撃してくるなど思いもよらなかった出来事に少しばかり驚くべジータ。
だがすぐにいつもの余裕気な、どこか楽しんでいるような微笑へと変わる。
「どうやら少しは楽しませてくれるようじゃないか。上等だ!少しだけ貴様の遊びに付き合ってやる!」
架音VSべジータの激しい戦いの幕開けである。
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悟空達がやってきたときには、もうすでに架音とべジータの戦いは始まっていた。
「あれが、架音か・・・?」
普段の架音からは想像も出来ない冷徹な表情を浮かべて戦っている架音を見て、まるで、別人じゃないか!?と驚くヤムチャ。
「雰囲気もそうだが、目の色も少し違うな。別人では無いのか?」
顔をしかめて、ピッコロと悟飯に問う天津飯。
「架音さん本人ですよ。僕達ずっと一緒にいたんですから。」
ね、ピッコロさん。とピッコロに同意を求める悟飯。
それに、あぁ。と同意し言葉を繋ぐピッコロ。
「何故、目の色が変化したかは分からんが。架音本人であることは確かだ。」
「でも、ほんとに凄いなぁ。あのべジータと互角にやりあってるよ。気もさっきより上がってるし。」
「あぁ、むしろ架音が押しているようにすら見えるな。」
「ひょっとして、べジータよりも強いんじゃ・・・・・」
「そんなことはねぇさ。べジータの方がまだ遥かにつえぇ。」
「それじゃぁ、べジータが手加減してるとでも言うのかよ?」
そんな風には見えないけどなぁ。と悟空の言葉に目を細めるクリリン。
「別にそういうわけでもねぇさ。よくわんかんねぇけど、べジータが動揺して本来の力を発揮出来てねぇだけだ。それに比べて架音は動きに全く無駄がねぇ。さすがだなピッコロ。」
「フン。当然だ。アイツはただでさえ戦闘力が低かったんだ。それに気も扱えんから、修行ですることといえば戦闘時においての無駄を一切無くすことのみ。そのおかげで、あの程度の気でべジータと渡り合えているのだろうがな。」
悟空の言葉に、満足気に弟子を見てフッと口元に笑みを浮かべるピッコロ。
しかし、急に真剣な顔をして、だが。と付け加えるピッコロ。
「早く気を押さえ込んでしまわないと、拙いかもしれんな。」
架音の首元についた鉄の輪を見て冷や汗を流す。
錠の外れた鉄の首輪はどうやら放出される気の量が大きくなるにつれて、どんどんと隙間が開いていっているようだ。
ただでさえ急な気の放出に耐えかねて意識を飛ばしてしまった架音。
これ以上、気を放出すれば、その身すら危ぶまれる。
「押さえ込むったってどうやって・・・」
「もともと架音の気を押さえ込んでいた錠がある。それを再び戻せばあるいは・・・・・」
「架音を止めることが出来るというのか?」
「分からん。だが、そうする他ないだろう。」
「錠ったって。それはさっきお前達が無理矢理外したって言ってたじゃないか。」
「でも、物凄く頑丈だったのでまだ壊れてはいないと思いますよ。」
「そうだとしても、その錠があそこじゃなぁ・・・・・」
未だに戦い続けている二人を見て、躊躇うように言うクリリン。
錠を取りにいけば間違いなくあの二人の戦闘に巻き込まれる。
「その錠ってどんなやつなんだ?」
悟飯に問うヤムチャ。
「いつも架音さんが首につけているものですよ。皆さんも一度くらいは見たことがあるはずです。」
そうは言うものの、あまり架音と接する機会も無く、そこまでじっくり見たことのない天津飯達には記憶がおぼろげである。
「錠はどうにかして見つけるとして、誰が戻すんだ?」
クリリンの問いに一斉にピッコロを見る一同。
「・・・・・」
薄々予感はしていたため、返す言葉も無く黙って彼らを睨むピッコロ。
「そりゃ、架音を止められるのなんて・・・」
「ピッコロしかいないよな・・・・・?」
事の発端が己の責任でもあるため、何とも言い返すことが出来ないピッコロ。
とりあえず悟空・悟飯・ヤムチャで錠を探し、錠を見つけたものがピッコロにそれを渡して、ピッコロが架音の首に戻すこととなった。
天津飯とクリリンは錠を架音の首に戻す際、太陽拳でべジータ共々架音の動きを封じることとなった。