【DB小説】ピッコロさんは俺の嫁!
□エピソード14【囚われの王子】
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「ん……」
(何処だここは……何かの研究所か……?)
「あ、目が覚めたみたいよ。」
「本当だな。おい、大丈夫か?」
まず始めに視界に飛び込んできたのは金髪の綺麗な女の人と女の人にどこか似たような顔立ちの黒髪の男だった。
「はい…。あの、ここは…?」
「Dr.ゲロの研究所よ。」
「Dr.ゲロ…?」
「そこに転がってるクソジジイさ。」
馬鹿にした風に笑いながら、床に転がっているその人物を横目で見やる。
つられてそちらへ目を移す架音。
「これはさっきの人造人間……」
…の頭部。
「うわあああぁぁぁっっっ!!?」
顔を真っ青にして叫び声をあげ、飛び退き尻餅をつく架音。
「あらあら、怯えちゃって可愛いじゃない。死体を見るのははじめて?」
愉しそうに笑いながら架音に問う女性。
「はじめてじゃないけど……」
真っ青な顔でガタガタと震えながら答える架音。
頭部だけの死体を見るのははじめてだ。
「おいおい。あんまりからかうなよ。可哀想じゃないか。」
そう言いながらも女性同様愉しそうに笑っている男。
間違い無く、Dr.ゲロと呼ばれる人造人間を殺したのはこの2人だ。
(早く逃げないとヤバイ……!?)
だが、あまりのことに腰が抜けて立つことすらままならない。
「そんな怯えなくても取って食ったりしないから安心しろよ。」
「可哀想に。きっと私達と同じように実験のためにDr.ゲロに連れてこられたんだわ。もう大丈夫よ。Dr.ゲロは始末したから。」
「…っ!?」
女性に抱き締められビクッと体が大きく跳ねる。
この2人の笑顔にはどこか狂気が含まれていて怖い。
( だけど…… )
何となく自分に危害を加える気は無いように思えた。
そこへ……
どおおおぉぉおぉぉおぉんっっっ!!!
「架音!!!」
「ピッコロさん!」
「その人を離せ!」
そう言って女性に切りかかる見知らぬ青年。
反応が遅れた女性の隙をついて架音を抱えて後ろへ飛び退く。
それを合図に彼女等めがけて一斉攻撃をかける。