【DB小説】ピッコロさんは俺の嫁!

□エピソード2 【俺が花嫁だと・・・!?】
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− ここはカプセルコーポレイション
  ブルマ宅である。


現在、ブルマ・悟空・ピッコロの三人は暗い面持ちでなにやら懸命に考えていた。


「はぁー、どうすんのよ。アンタ達のせいで一人のイタイケな少女が人生という道を大きく踏み外してしまったじゃない・・・・・」


あぁ、どうしましょう。と悲劇のヒロイン張りの悲痛な叫びを漏らすブルマ。


「でも、すげぇよな。ピッコロを花嫁にだとよ。」

大きな笑い声をあげる悟空。


「笑ってる場合じゃないでしょ!ピッコロも黙ってないで何とか言いなさいよ!」

呑気な悟空に頭を抱えながら、ピッコロに呼びかけるブルマ。



「その前に、コイツをどうにかしてくれ。」

先程からピッコロを口説き落とそうと必死に頑張っている架音を憤慨の顔で指差して、今にも殺しそうな声で告げるピッコロ。


「ちょっと、落ち着きなさいよ。間違ってもその子、殺したりしないでよね。あなたもちょっと落ち着きなさい!」

そう言って架音をピッコロから引き剥がし、大人しくさせる。


そこで、我に返ったように口説く口を止め、ブルマ達の方に向き直る。


「失礼しました。俺、音無架音っていいます。理想の花嫁を捜し求めて旅をしていた身でございます。」

そう言って、ブルマ達に深々と頭を下げる。


「ご丁寧にどうも・・・。えと、花嫁を探して旅・・?また凄い理由ね。」


「まるでブルマみてぇだな。」

しししっ。と笑う悟空。


「孫くんは黙ってて。」


二人が言い合っているところでピッコロが嫌味気に架音に尋ねる。

「花嫁?花婿の間違いじゃないのか?」


「花嫁であってますよ。」

一方の架音は嫌味に怒るどころか、ピッコロに話しかけられたことに対して嬉しそうに答える。


「花嫁?あなたじゃなくて弟さんとかのってこと?」


「いえ、俺の花嫁です。どうしてですか?」

ブルマの質問にきょとんとする架音。


「どうしてってあなた・・・女の子でしょ?」
今度は架音の言葉にブルマがきょとんとする番だ。


「俺が女・・・?」

またもきょとんとした顔をする架音。


そして次の瞬間、プッと吹き出し、大爆笑を始めた。


「「「 !? 」」」

わけが分からず固まる三人。


「ははっ、すみません。いや俺、男ですよ。」

笑いすぎて涙目になって答える。

そして、
俺こんなだし間違ってもしょうがないんですけどね。
と付け加える。


「え?嘘・・・。だって、この私でもびっくりするほどの美人顔よ・・・?」


「でも、本当のことなんで。」

頭の後ろに手をあて、へらっとして答える架音。


「でも、おめぇ、全然そんな感じはしねぇぞ。腕だってこんな細っこいし。肌だって真っ白いし。」


「あなたが逞し過ぎるんですよ。普通の男なんてこんなもんです。」


「そうだったっけか?」


「そんなわけないでしょ。こんな男の子見たことないわよ。」


そこで、黙っていたピッコロが腹立たしげに立ち上がった。

「下らん。こんなことをしていても時間の無駄だ。俺は修行に戻るぞ。」

そう言って、出て行こうとするピッコロ。


「ちょっと待ちなさいよ。」


ブルマに続けて、そうですよ。と架音が言葉を繋ぐ。

「女の子が修行なんて駄目ですよ!大事な肌に傷がついたらどうするんですか!」


「誰が女だ!女は貴様だろう!」

額に怒りマークを浮かべて怒鳴るピッコロ。


「俺は男です!」

真剣な面持ちで答える架音。


「なら、俺はもっと男だ。花嫁だなんだふざけたことをぬかしている暇があったら、とっとと消えろ!そして、二度とその面を出すな!」


「ちょっと、なんてこと言うのよピッコロ!」

ピッコロに怒るブルマ。
立ち上がろうとしたブルマを止め、自分が立ち上がり、真っ直ぐピッコロのところへ歩いていく架音。


そして、ガッとピッコロの胸倉に掴みかかる。


「架音ちゃん!」

真っ青になって叫ぶブルマ。


「何だ。俺とやる気か貴様。ここまでされては容赦できんぞ?」


「おい、やめねぇかピッコロ!」


「・・・・・ない・・・」


「は?」


「ふざけてなんかない。俺は真剣だ。」

真っ直ぐとピッコロの瞳を捕らえて言う架音。


「!?」

架音の強く真剣な眼差しに目を見開いて驚くピッコロ。


「必ず俺に惚れさせてやる。」


「!?」



   「覚悟しとけよ?」

その言葉と共に向けられた不敵な笑みはピッコロの脳裏に深く焼きついたという。

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