〜神を喰らいし者への扉〜
□〜Prologue〜
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ユカリside
いやだ 恐いっ 誰でもいいから助けて!
少女は必死になって走った
そこは見慣れた孤児院ではなく地獄と化していた
突然アラガミが孤児院を襲ってきたのだ
アラガミの恐ろしさを幼い少女は嫌でも感じていた
先程まで一緒に遊んでいた友達は真っ赤に染まっていた
それを貪るようにしてアラガミ、オウガテイルは群がっていた
「はあっ、はあっ」
後ろからはオウガテイルの群れが追いかけてくる
捕まれば最後、待つのは死だけ
「はあっ、はあっ・・・・・あっ」
バタンッ
少女は何かに躓いてしまい倒れてしまった
「いや――――――!!」
少女が躓いたもの、それはいつも優しかった孤児院のシスターだったもの
もはや原形を留めておらず食い散らかされていた
目の前にはオウガテイルの群れ
だが躓いてしまったせいでこれ以上は逃げられない
「誰か・・・・助けて・・・・助けてよぉ・・・・・・」
少女の悲痛な声が辺りに響く
だが助けてくれる者などおらずオウガテイルは無情にも襲い掛かってきた
[グアアアアアァァァァ!!]
「いやああああっ・・・・・って痛っ!?」
目を開ければそこは見慣れた天井だった