02/14の日記

23:46
パス申請についてのお願い。
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いや、ほんと。
申請頂けるのはとてもありがたい事です。
メール頂けるのは本当に嬉しいです。

ですが。
メッセージ「あ」とか無理です。
文章で20歳以上だと判断できない方には返信しておりません。
こちらの勝手な都合で申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。

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23:25
こねたっぽい何か。
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甘い?苦い?
恋の味はどんな味?

「ちょっと、何やってんの?」

突然降ってきた彼女の声に、グレイはぴくりと肩を揺らす。
確かに彼女の不在を何度も確認した、…ハズだったのに。

「よっ、ルーシィ」
「よっ、じゃないわよ」

呆れたようにため息を軽くひとつ。
想定外の存在が部屋にいたも関わらず、ルーシィは特に驚くこともせず。
ただ、キッチンから顔を覗かせて小さく笑う。

「約束してた時間はまだ先でしょ?」

髪をうしろでひとつに括り、頭には無地のバンダナ。
服が汚れないような対策であろう、淡い色のエプロンを身に纏って。

「ちょっと暇になったからな」

何気なく、そう、特にたいした意味はなく。
約束していた時間を少し前倒しにしただけだと。
そう思われるよう、グレイは普段通りを装いソファでんーっと背を伸ばした。

ついでに欠伸までつけたのは、わざとらしかっただろうか?

「まったく、こっちにも都合とか予定とか色々あるんだけど?」

そんなグレイを特に気にすることもなく。
少しだけ見つめたあと、ルーシィはひらりとキッチンへ再び姿を消す。
その気配が完全に離れた事を確かめて、グレイはそっと息を吐き出した。

暇になったからなんて、嘘。

「 …気になるもんは仕方ねーだろ」

ぽつりと小さく。
決して聞こえない大きさで。

何故、今ここに来たのか。
誰にも言えない、言いたくない、その理由。

「みっともねぇー」

俺の他に誰にチョコレートをあげるのか。
ずっと気になって仕方ない、なんて。

仲間思いのルーシィが、ギルドのみんなにあげる事なんて当たり前なのに。
俺だけが「特別」であって欲しい、なんて。

こんな事を気にするなんて馬鹿馬鹿しいとも思う。
でも、気にせずにはいられなくて。
約束の時間まで、じっと待ってる事すら出来なかった。

ふわふわと落ち着かない胸の奥。
優しい淡い色と、くすんだ冷たい色がない交ぜになっているような。
そんな、気分。

「ルーシィ」
「なぁにー?」

名を呼べば、こうやっていつでも顔を見せてくれるのに。
まだ、足りないなんて。

「チョコ、くれよ」

真ん丸に開かれた瞳。
それが優しく細められる事も簡単に想像できる程なのに。

「まったく、せっかちなんだから」

近づくルーシィの歩みと共に、ふわりと彼女の身から漂う甘い香り。
促されるままに目を閉じ、口を開く。

舌の上に落とされた丸い重みは、甘く―…

「にがっ!!」
「純ココアだからね〜苦いよね〜」
「ルーシィ…!」

くすくす楽しそうに笑うルーシィ。
甘いチョコレートのつもりで含んだそれが、甘さゼロだったグレイの衝撃は半端なものではなく。
グレイはわずかに涙目になりつつも、せっかくのチョコを味わおうと転がして。

苦味から一転。
くるりと味が変わった事に視線を上げた。

「中身は甘いから、安心して」

表面だけが苦いのよ、と。
ウィンクと共に落とされたいたずらっ子のような笑顔。
ルーシィなりのサプライズ、といったところなのか。

「みんな驚くぞ、これ」
「なんで?」
「普通苦いと思わないだろ…」

ナツ辺りなんか。
驚いて炎のひとつやふたつ、吹くかもしれないのに。
そしたらまた、ひと騒動だ。

「んー?大丈夫よ。だってこれ」

―…グレイ専用だもの。

「俺専用?」
「そう。みんなのは甘いだけ」
「何で俺のだけ…」
「だって、似てるでしょ?」
「何に?」
「さぁ、…なんだと思う?」

もうひとつ食べる?と。
促されるまま、今度はルーシィの唇から受け取って。
再び広がる苦味を絡め取ったルーシィの舌先に移す。

「わかんねぇ、…答えは?」

甘いと思ったチョコレート。
表はちょっとだけ苦くて。
本当はやっぱり甘い。

「教えない〜」
「ケチ」

苦みが消え、広がった甘さにルーシィはふわっと笑った。



大切な君との恋。

少しだけ苦くて。
本当はとても、とても、甘い。

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2017.02.14

バレンタインこねた。
ついったのこねた垢に落とそうと思って書き始めたら思いの外長くなってしまった。
最後、尻切れトンボですがスマホでぽちぽちはこれが限界です。

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