学園パロ<book>

□強く生きてみようと思う 
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キーンコーンカーンコーン





「ねねっ。ルーシィは何か部活入る予定?」



授業終了と共に声を掛けてきたレビィに、“うーん”と首を捻る。

部活に参加するかどうかはまだ決めてないのだけれども…そもそも。



「どんな部活があるのか、教えてくれる?」



どんな選択肢があるのかすら分からないのならば、悩みようがない。

“それもそうね!”とぽんと手を打つレビィ。



…やっぱり、どこか天然…いやいや。素直なのよね、きっと。



瞬時に前向きに脳内変換するルーシィだが。

その読みはハッキリ言ってしまえばピンポンピンポン大正解!

ルーシィ以外、全ての人が知っている周知の事実だったりする。



「ルーシィは何か見てみたい部活、あるー?」



逆に問われて考えてみるものの。…いまいち、ピンとこない。

今までろくに“学園生活”というものすら経験した事がないのだ。

部活動、と一言で言われても、その内容は文字から仕入れた知識しかない。



百聞は一見にしかず。



「とりあえず、目ぼしい所を順番にお願いしてもいい?」

“面倒な事を頼んでごめんね”と手を合わせるルーシィに、レビィは“うん!”と笑顔で頷いた。







「まずはどこから見に行こうか〜」



人差し指を顎に当て、むむむ…と考える仕草をするレビィ。

ルーシィはその横をただ黙々と歩く。

レビィに全てを委ねたからには、邪魔しないでおこう。…そう思ったのだが。

“どうしよっかなぁ…”とぶつぶつ言いながらウロウロとさ迷うばかりのレビィ。



―…まさか。迷子になってる訳じゃ、ないよね?



未だに校内で迷うと言っていたレビィの笑顔が脳裏を過る。

図書室には迷う事なく辿り着けたようだが…。

(そういや、あの時は私の方が先頭に立って歩いていたっけ)



「うーんと…。あっちは確か職員室で…こっちは保健室…。うーんと」



ぽろぽろ耳に聞こえてくる言葉は、疑問を通り越してすでに“不穏な気配”。

それに、実はさっきから気になっていたのだが。

何故だかレビィは、同じ廊下を行ったり来たり。また戻ってきたり。



もしかして。もしかしなくても。

行く場所を悩んでるんじゃなくて。



“目的地へ辿り着く方法”で悩んでいる…?



いやいや、それはいくら何でもさすがにね〜、と思いつつ。

同じ廊下を5度通過した事で、ルーシィにも焦る気持ちが生まれる。



「ねぇ、レビィ…」

「なーにー?ルーシィ」

「まさか…迷子になってるとか…言わない?」



“びくぅ”とあからさまに体を揺らし、フリーズするレビィ。

そんな彼女を見て、…ルーシィは思わず“ぷっ”と笑いが漏れた。



「校内の案内はまた今度でいいから、今日は外をお願いしてもいいかな」

複雑に入り組んでいる校内とは違って、広いグラウンドならば迷わないだろう。

そう考え、伝えたルーシィに、やはりレビィは“うん!”と頷く。



「そうだね。校内より外に行こう!」



ナイスアイディア!と小さくガッツポーズをするレビィに。

ルーシィはただくすくすと笑い続けた。

********************

2011.02.10

レビィちゃんがだんだん崩壊し始めているナゾ。

ドウシテー!(;ωノ|柱|。。。

今時の高校生は部活動をしないとラジオで聞いたのだが、本当なのだろうか…。


song:花のささやき

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