学園パロ<book>

□秘密のルーシィちゃん
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「で、先生。私はどこへ座れば?」



ぱんぱんと手に付いたチョークを払いながら、事もなげに告げる転入生。

見事な投チョーク技を披露したとは思えない爽やか笑顔。

―…こういう奴が、何気に一番タチが悪い。



「お前の席は…。おい、学級委員!」

「はい!」



呼ばれてガタッとその場で起立したのは、メガネを掛けた知的な感じの女の子。

学級委員と呼ばれたという事は、このクラスの責任者らしい。

でも、その雰囲気や迫力は、正直言って。…“普通の女の子”だ。

ラクサスとかいう番長(!?)がいるのに、本当に彼女が統率できるのだろうか。



そんな事を頭の中で考えているルーシィの事などお構いなしに。

カナは学級委員の隣の空席を指し、あそこへ座れとルーシィの背中を押した。



「何か分からない事があったらソイツに聞け」

「よろしくね〜」

「あ、あっと。よろしくお願いします」



ぺこりと頭を下げたルーシィに、“やだなぁ、同級生なんだから”とにっこり笑うお隣さん。…っと。



「私はルーシィ。よろしくね」

“あなたは?”と首を傾げると、“あぁ!”とぽんと思い出したように手を叩く。

「私はレビィ。一応、このクラスの学級委員してるんだ」

何か困った事があったら何でも言ってね!…そう告げる笑顔はとても明るくて。

にこにこと表裏がなさそうなその笑顔に、思わずこちらまで“よろしく!”と笑顔が漏れた。



「教科書とか揃ってる?」

「ん〜、実はまだ届いてなくて」

「だよねぇ。じゃ、私と一緒に見よう!」

「いいの?ありがとう!」



ガタガタと机を寄せ、レビィが開いてくれた教科書を一緒に覗き込む。

肩が触れ合うほどの近くの距離に同じ年のクラスメイトがいて。

あれは、これは、と指差しながら笑い合える。



これはごく普通の事なんだろうけれど。

ルーシィにとっては、初めてでとても嬉しい出来事で――…。



「どうしたの?ルーシィさん?」

「あ、あぁ。ごめん。ちょっとぼんやりしてた」

「転入初日だもんね。仕方ないよ!」



ねっ、と笑うレビィに。

ルーシィは“あはは”と乾いた笑いを返した。

********************

2011.02.08

伏線張り。ってかパロまで暗くする必要ないっていうのに。

やはり学園パロといえばラブロマンス!

いつかロマンスの為に使うだろ。って感じ。


song:ひみつのアッコちゃん

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