学園パロ<book>
□あなたの心に忍び込む
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「おーい!静かにしろー」
バンバンと黒板を叩く音で、ざわざわと騒がしかった教室が僅かに静まる。
教壇に立ち、手にした名簿を叩き付けた主である担任が、自分の声に思わず“頭が痛ぇ〜…”と愚痴をこぼした。
「また二日酔いかよ。センセー」
「…ウルサイ。静かにしろ」
「瓶ごとラッパ飲みするのはもう止めたらどうだ?」
「ウルサイと言ってるだろう。ラクサス!」
飛んできたチョークを余裕でひょいとかわし、くっくっくと笑う。
“ラクサス”と呼ばれた青年は、ややガラが悪そうなその雰囲気と大きなガタイのせいか、若干クラスの中では浮いている。
―…まぁ、机の上に足を乗せて踏ん反り返っているなど、いつの時代の番長だオマエは的ツッコミが入らなくもないのだが。
「いってぇ〜!何でオレがチョークぶつけられんだよ!カナ!!」
「担任を呼び捨てにするんじゃない!ナツ!!」
ラクサスが避けたチョークが当たったらしい桜色の髪の少年が叫ぶ。
そのおデコには、クリーンヒットしたらしい見事な白チョークの跡。
悔し紛れにでぇぃっ!と教壇に立つ担任に投げ返すものの。
「あっまーいっ!」
カッキィーン
「ぐえっ」
名簿で打ち返されたチョークが再びナツの額に当たり、1発KO。
さすがカナ。
だてに体育教師はしていない。
(酒浸りな体育教師もどうかと思うが…)
「あの〜…、スミマセン…」
「あぁ、すまんすまん。すっかり忘れてた」
廊下からひょいと教室を覗き込んだ顔に、カナはおいでと手招きをする。
「失礼します」
お辞儀をひとつ、カラリとドアを開け入ってきたのは。
「…誰だ?」
片眉だけを(器用に)ひょいと上げ、その来訪者をじろじろと眺めるラクサス。
教壇でカナの隣に並び、にっこりと見事な笑顔を浮かべた少女に“ヒュウ”と唇を鳴らした。
「えー、今日からクラスメイトになる事になった!っと名前は…」
「ルーシィ・ハートフィリアです!よろしくお願いします!」
サラリと揺れる金色の髪。
色白な肌に、見事に整った顔立ち。
スラッとした体形に、不釣り合いな程目立つ胸。
その突然の転入生に、クラス中がざわっとざわめいた。
時期外れの転入生。
その並外れた容姿と、ただ者ではない雰囲気にクラス全員が息を飲む。
それは、これから始まる日々の前触れだった――…。
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2011.02.08
ベタだな転入生。(笑)
自己満足だから捻りがなくても落ちがなくてもいいんだーい。←
song:魔女っ子メグちゃん