記念ss
□お正月小説
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外では冷たい風がピューっと吹いていて、できればこんな朝っぱらから外には出たくない気持ちでいっぱいだ。
1月1日。今日はお正月な訳で、いつも一緒にいるメンバーのナツ、ハッピー、グレイ、エルザとルーシィがルーシィ宅で正月を祝っていた。
「「「「「明けましておめでとうございます!!」」」」」
みんな円になって正座で新年の挨拶をした。
「みんな、今年もヨロシクねっ!!」
「あい!!」
「おう!!もちろんだ!!」
「こちらこそよろしく頼むぜ!!」
「あぁ、私もよろしく頼む」
「なぁなぁルーシィ」
「何よ、ナツ」
「早く飯食おうぜ!!」
「そうだよ、オイラだって早く魚食べたいんだよ!!」
「はいはい、分かったわよ。じゃあ皆は席についてて!!」
「「「はーい」」」
「ルーシィ。私も手伝おう」
「ありがとう!!エルザ」
そう言って、ルーシィとエルザはキッチンへと姿を消した。
「おい、グレイ」
「あ?なんだよ」
「残念じゃねぇか?」
「何がだよ」
「ルーシィが着物を着てないんだぜ!!」
「はぁ!?」
「見てみたくねぇのか?」
「そりゃ・・・見てみたいと思うけど・・・」
「だろ!?」
「じゃあ、なんでエルザも着物着てないのに残念じゃねぇんだよ」
「だって、毎年着てるだろ?今年は着てねぇけど」
「そうだな。じゃあ、お前はエルザの着物姿は見飽きたって事か?」
「おう!!!!」
「おい、ナツ。どういう事か説明してもらおうかっ!!!」
「「!!!」」
ナツとグレイの後ろに、いつの間にかエルザが立っていた。
「ナツ。何を見飽きたというのだ?」
「それは・・・えと・・その・・」
「なんだ?言ってみろ!!」
「あの・・・その・・」
この状況を少し離れた所で、グレイ、ルーシィ、ハッピーが見物していた。
「あらら。新年早々、ナツはエルザにまた怒りの制裁が下るのね・・・」
「あい!!ナツは仕方ないよ」
「あぁ。全くだ」
「グレイはエルザの制裁を受けなくていいの?」
「ん?俺はエルザの着物姿を見飽きたとは言ってないぜ」
「そうなんだ」
そして、グレイはルーシィの耳元で、ポソっと呟いた。
「正直、言えないんだけどな!!」
それを聞いたルーシィは笑った。
「ぷっ、ふふふっ。確かにそうね!!」
「だろ!?」
「グレイはナツほどバカじゃないって事ね!!」
「それは当たり前だって!!」
「ふふふっそうかもね!!」
「『そうかも』じゃなくて、『そう』なんだって」
「クスクスっ分かったわ!!とりあえず、ナツとエルザのいる場所は避けて、料理を運ばなくちゃ!!」
「俺も手伝う」
「ありがとう!!」
グレイとルーシィは料理をキッチンに取りに行った。
その直後にハッピーが嫌な顔で『どぅえきてるぅ』と巻き舌風に言ったのは、誰も気付いていなかった。
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