Caracter Story
□優希編
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「 憧れや目標というものは、良いものです。
目の前に壁があるかないかで、見えるものも変わってくると思います。
皆さんには、何か目標がありますか…? 」
そこまで聞いたとき、チャイムが鳴った。
50分間体育座りをして固まっていた体をぐー、と伸ばした。
「目標だって。俺何も思いつかないよ…
優希は何かある?」
この時間は、二年生全クラス一緒に体育館で、学期始めの集会を行っていた。
斗哉をはじめとして、奏・淕・かづま・朔也が集まる。
「俺は…優さんかな」
優希の口から出た聞きなれない名前に5人が『誰?』といったように首をかしげた。
「男5人が座りながら同じように首かしげててなんかオツだな。」
「お前オツの意味分かってねぇだろ。」
朔也にすばやくかづまがツッコミを入れる。
「うん。で、ユウ?誰?エクソシスト?」
「えく…? あれ?みんなに話してなかった?」
淕が聞きたいというようにコクコクと2回頷く。
「小4の時なんだけど…-−」
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あの日は 10月だというのに、暑かった。
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