煌めきの彼方

□想いの彼方
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「貴様ら…

そうか光の守護者に

金と銀の聖獣がいると聞いたことがある。

だがその姿は確認できず、

ただの言い伝えだと思っていたが…

存在したのか」


神官は憎憎しげに2匹の聖獣をにらみつける。


「我らの存在をかぎつけようなどとおこがましいわ!

我らは光の力そのもの。

我らがいる限り光の力は消え去りなどしない」


力強く金の獣が言い放つ。
そしてその全身から眩い光が発せられた。

目もくらむばかりの力の輝きに思わず目を閉じる神官。
その隙を狙って銀の獣が彼の者へと近寄りその腕に噛み付く。
だがそれはすぐに彼の者が身体に纏う
魔の力によって跳ね返された。



「くっ…やはりこのものは

魔のものへと成り果てているのですね」


体勢をなんとか立て直し、
地に足を着いたシルヴァが悔しそうに呟く。
その横へと姿を現したゴルヴァが呟いた。



「いや…そうでもないようだ。

見てみろ、彼の者の腕を」


そういわれて彼の者の腕を見ると
シルヴァが噛み付いた後が光を発している。


「どうやら少しずつならあの魔の力削り取れるようだ…」


ゴルヴァはしばし考えをまとめる。

そして今度は自分が目にもつかぬ速さで、
神官へと駆け寄り反対の腕に噛み付く。
これもまたはじかれるのだが、
噛み付いた後には光が灯る。


「そうか…奴は次の儀式を行わなければ、

身体が保てなくなっているようだな。

これはいい機会だ」


ゴルヴァは不適に笑うと神官へと語りかける。


「どうやらお主、その身体限界のようだな…

ならば我らにも勝機はある」


ゴルヴァの語りかけに神官は
きっと目を吊り上げると、睨みつける。


「何を…だがお前たちの力はこの程度か?

やはり光の力は確実に失われつつあるようだな…

ふふふ…そうだ…いい事を思いついたぞ。

貴様らを我の儀式の生贄としてくれるわ。

光の守護者の力…

我に如何ほどの力を与えるのか…

楽しみなことだな」

「できるものならばしてみるがいい…

我ら2匹そう簡単に

お前にやられるつもりなどない」


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