修学旅行

□優しさ
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赤坂が帰って直ぐに担任の教師がやってきて、翔平の最後の様子を訊いてきた。

俺は軽く事情を話したが、担任は不可解そうに顔を歪めながらも頷いて聞いていた。
情報交換ではないが、先生達も親に連絡をしたり携帯に掛けては見たが電源が切られており行方は分からないとの事。
警察に相談しようかと母親に連絡すると、もう一日待って欲しいと言われたらしく数人の教師で辺りを捜索しつつ修学旅行を続けることになったそうだ。

そこまで話すとチラリと腕時計を見つめ、時間を確認していた。

担任『じゃあ今日は自由行動だから、二人で巡ること。何かあったときは先生に電話するように、分かったら準備して』

そう言って、いそいそと部屋から出ていった。




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隼人『…行くぞ』

出発の準備はしたものの、メンバー一人欠いているため行く気も起きるはずがなくダラダラとしてしまう。
でも行かなきゃ仕方ないので、畳の上に転がる颯太の背中をグイグイを踏んでやる

颯太『あッ…う"…行くから…やー…めー…てー…。』

俺の背中を踏むリズムに合わせて鈍い声を出す、その様子がおかしくて何度か踏むも最後は颯太が無理矢理起き上がる。

隼人『わッ…ばか!…ッ痛ー…』

その反動で思わず尻餅をついてしまい、畳に打ち付けた尻を擦りながら見上げ。
颯太は嬉しそうにニヤニヤと笑うと腰に手を当て、俺を見下した

颯太『俺を玩具にした罰だ!くすぐりの刑執行!!』

手をワキワキと握ったり伸ばしたりして近寄られ、逃げようと思ったら腰の辺りにのし掛かられる。

颯太『覚悟しろ?』

ニマー…っと気味の悪い笑みを最後に脇腹をくすぐられる

隼人『やッ…ぎゃははは!!マジっ…!死ぬ…ッ!ひはははッ』

腰に乗っかられているせいで逃れることが出来ずに、ひたすら笑って堪える。既に相手の姿は涙で歪んで見える

教師『…こらッ!お前ら、うるさいッ!早く行け』

たまたま通り掛かった教師に怒られ、やっとくすぐりの手が止まった。
颯太も大人しく上から退いて口を尖らせながら拗ねている。

颯太『ちぇ…マジうっせぇなー。』

教師『名越…聞こえてるぞ?』

颯太『わッ!?まだいたンすか!すんません嘘です、はい!じゃ…!!』

居なくなったと思っていた教師とコントのようなやり取りをした後に、逃げるように部屋を飛び出していってしまった。

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