†哀歌†

□僕の神様-argent moon-
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終わりの見えないただただ暗い闇の世界。


その中で、僕は闇夜に輝く美しい金色の光を夢見ていた。


それが何で、何という名を持つのかすら分からなかったけれど、瞼に焼き付いて離れないその光が僕の全てだった。



『キラ、生きろ』

『いつか必ずお前の前にも神様が現れるから…』

『…だからどんなに辛くても…‥』



だってそれしか知らないから…


苦痛しかない毎日。

気づいた時にはもう独り此処にいた。

外の世界がどんなところなのかなんて知らない。

三方を壁に囲まれ、正面に鉄柵を構えたこの小さな部屋だけが僕の世界の全て。

たぶん此処から出ることは生涯ないのだろうけれど、

一度だけ、一瞬だけでいいからあの光に出会いたい。




それが本当にこの世界に存在するものなのかも分からないけれど…




瞼に焼き付いて離れない

それは

きっと

僕の…







∈†僕の神様†∋







「神様!!うちの子を助けて下さい!!」
「食べるものがもう何もないんです!!」
「どうか救いを!!」
「妻を助けてください!」
「流行病で幼子が町にはもう数えるほどしか…どうかお助けを!」
「…っ死にたくない!!ご慈悲を…」
「助けて下さい!!」
「こわぃっ……神さまぁ」
「神様!!」
「助けて!!」
「死にたくない!!!」
「救いを…!」
やめて…
「神様!!」
聞きたくない…
「神様!!!」
ヤメテ…
「神様!!!」
ヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテヤメテ


「やめてぇぇえ!!」
耳を塞いでも遮ることの出来ない人々の懇願、悲鳴、最期の声。それは暗い地下の空間に響き、反響し、まるで一つの狂気をはらんだメロディーのように耳について離れない。


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