†童話†
□暗闇に堕ちる
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「…っぁ!!」
頭を抱え、キラはベットの上で蹲っていた。
瞳からは、はらはらと涙が止めどなくこぼれ、身体が小刻みに震える。
「…ゃぁ…っぅ…くっ……」
焦点を失って尚神秘的な輝きを放つ紫苑の瞳、白い肌、異常なまでにやせ細った身体は壮絶なまでに美しく、現実味を全く持ち合わせていない。
今にも消えてしまいそうな儚さで、しかしキラは現実に確かにそこに存在していた。
―‥いっそ消えてしまえればいいのに
そう思う心を止めることなど出来なくて。
夜毎自分を苛む得体の知れない不安。
怖くて、怖くてどうしようもなくなるのだ。
何が不安なのか、何が怖いのかすらも分からないのに、その感情だけが毎晩のように爆発し、独り闇の中もがき苦しんだ。