「Suck-A-Rocka」Works

□80'sDirtyAmericans
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2時間前にボブに殴られた左頬がまだ痛む。
去り際のボブの言葉が色鮮やかに蘇る。
「せいぜいダーティーマネーとFuckしてくれよ。もしくはお前のママとFuckするか。そしたら文字通りのクソ野郎になれるぜ、このチキン野郎がっ!!」
 吐き捨てるような罵利雑言と左頬の痛みを俺に残してアイツは俺の前から消えていなくなったんだ。
 …Hey、ボビー。俺はいつだってお前の事をニガー(黒んぼ)呼ばわりしようだなんて思った事ないんだぜ…。

 始まりはつまりこんな感じだった。
ハイスクール時代の友人のJKから俺の家に連絡があったんだ。
「Hey、ジョニー!俺はアメリカンドリームってヤツを目の当たりにしたぜ!ソイツは世界の果てよりもCoolなんだ。つまりは最新型さ」
 俺はJKの話の半分も理解出来ちゃいなかったが、ひどくゴキゲンな感じだったし、何よりも「最新型」って言葉に興味をひかれたんだ。
「なんだい、JK。ひどくゴキゲンじゃあないか。俺にその最新型ってヤツを教えてくれないか?」
そしたらJKのヤツ、夜のラスベガスみたいに目をキラキラさせながら歌うようにこう言ったんだ。
「いいかい、ジョニボーイ?これからはチキンの時代だ。今すぐ1000$でこのカタログの鶏を取り寄せるんだ。そして今の俺と同じようにお前が信頼する友達にこの鶏を勧める。その友達はさらに他の友達に同じように鶏を勧める。これの繰り返しでお前の周りはみんなハッピーになれるぜ。言うなればこのビジネスはジャックと豆の木の金の卵を生む鶏、ってワケだ。もっともお前はジャックじゃなくてジョニーだがな!HA!」
 JKのゴキゲンなジョークで俺もゴキゲン、
「OK、JK!俺がジョニーならお前は豆だぜ!」
俺はすぐさま鶏を注文すると幼なじみのボブに鶏を勧める事にした。
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