いつまでも隣で見てきた。
すぐ傍で、隣で、間などなく、そしてこの瞬間がいつまでも続いていると思っていた。
なんて想いは儚く、いやそう信じていた俺らがただ青かっただけなのかもしれない。
彼氏彼女と色恋沙汰に話を咲かせるような歳になれば自然と離れていきこの学校に俺とお前が幼馴染だという事実を知る者さえ少なくなった。
「あー、えっと」
だからこうして俺を目の前にこいつが戸惑うのも当たり前といっていいと思う。
ていうか実際堅苦しく並べてみたけどもう向こうは俺の事覚えてるかも怪しいわけだし。
ちなみに時は昼休み。社会科資料室だ。
「えっと……久しぶり……?」
嗚呼どうやら向こうは覚えているらしい。
苦笑いを浮かべながら頬を無理矢理引き上げながら
「おう」
と短く答えた。
嗚呼付け加えておくと何故俺が此処にいるのかという話だが、朝来たらなにやらラブレターでもなんでもない「社会科資料室」と書かれたルーズリーフが置いてあったので俺の長年の勘と第六感でこれは告白じゃないと感知したのであった。
どうやら俺の勘は正しいらしい。
中学に入って大抵の奴等は変わったけど俺が変わっていないの同様コイツも変わってないんじゃないかと勝手に決め付ける。
「……呼び出したの、お前?」
そしたら少しソイツは俺と同じように少し唇を持ち上げて頬を痙攣させ
「えー、あー。うん」
と口をごもらせながらも答えたのだった。
「…んだよ」
「え?…んーあのさー」
歯切れの悪いソイツに若干なりともイラつきながらも返答の続きを待った。
そうするとソイツも腹を括ったのかよし!、そう言って紙袋を押し付けてきた。
「今日、誕生日でしょう?」
・