平凡Aと平凡Bの非平凡物語

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「ん゛ー……………、んぁ?」

起きると、辺りは赤く染まっていた。
いやいやいやいや、血とかじゃ無いけど、夕方だから赤く染まっていたんだ。
血なら泣く。
そんな血だらけのところで寝てたとか………、ホラー過ぎる…!!!

まぁ、その話は少し置いて。

軽く体を起こして気付く。
あれ?
俺、服着てる。
え?何?
もしかして…、ビー様とのことは悪い悪夢だったとか?
だよね、うん、あれは悪夢だったんだよな…!!
空き教室に居るのは―…、ほら、何となくで、ここで寝てたのは、日当たりが良かったから、寝たくなっただけであって、気絶したんじゃない。

妙な自己暗示で、何故か本当にビー様の事が夢だったかの様に思えてきて、ルンルンと舞い上がりそうな気分になる。
そして、スキップをしそうな勢いで、教室に戻る。
自分の鞄を取って、しのの机を見てみると…

「あれ?しの…、もう帰ったのか?まぁこんな時間まで普通待たないか。」

残念ながら、親友は帰っていたが、俺の気分は浮上するばかり。

不意に、服が擦れて、鎖骨辺りにピリッとした電撃にも似た刺激が走る。
……………、なんだ?

「知らない間にぶつけたか…、切ったのかな?」

言いつつ…、普段なら絶対に、絶対に気にしないのだが、この時だけは無性に見に行かなければならない気がして…。
俺は、トイレで鎖骨を見に行った。



「ん゛、ッなぁあぁああ!!!?」

IN トイレ
鎖骨に何故かクッキリと浮かび上がる赤い噛みあとにビックリして大声をあげる。
いやいやいやいや、マジ勘弁…!!

大方ビー様が付けたのであろう。
大方と言うか、絶対に。

ああああ、もう、ほんと…。
こんなのどうやって隠せば良いんだ…!!?


泣きそうな俺を慰めるかの様に、トイレに生暖かい風が吹き込んだ。
 

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