平凡Aと平凡Bの非平凡物語

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〜回想〜

『おいっ…ハチ…大丈夫か?』
「ハハハ…ダイジョウブダヨ?」

アハハハと涙目で笑う友人。…大丈夫じゃないと思うのは俺の気のせいじゃないと思う。

こうなったのは数学のノートを出しに行ってからなんだが…何かあったのだろうか?

『あー…今日こっちから帰るから…。』
「あっ…うん…」

フラフラとした覚束ない足取りの友人。
本当…奴に何があったのやら…

『…まぁ…あいつの問題だしな…』

(俺が口出すような事じゃないだろ…。)

そう思いハチとは逆の方へと足を向けた。

そう…今思えばこれが運命の分かれ道だったのかも知れない。

『…えっ?』

だって誰が思うだろうか?

帰り道…少し位路地裏で…血溜まりが出来ていた光景を…

「ひっ…ひぃ…」
「たったすけ…」

“ドガッ”

「都合の良い事いっちゃ駄目だよーん♪君達は俺に喧嘩を売ったんだからぁ♪」

その中で一人、返り血を気にせずたっている姿を…

日常の中にある非日常の姿を見るなんて…

一体誰が予測出来たって言うんだ?

「あーぁ…見られちゃった…。」

先程と変わらない口調でニコッと笑いながらこっちを見てくる男。

正直に言おう。

怖いと思った。

足が震えた。

そして…俺は…

逃げた。

後ろから聞こえた逃げちゃった〜逃げれないのにねぇ〜と言う言葉は無視した。

そして忘れた。

何も無かったように…。

〜回想終了〜

「でも本当に忘れてたんだねぇ〜♪」

普通は恐怖で忘れられないものだけど…と目の前の篠月様は言った。

『…貴方も忘れてくれればよかったのに…。』

そうすれば俺は日常に戻れたのに…。

「でも…言ったでしょ♪“逃げられない”って♪」

あの時あの場所に居た時点で君の運命は決まってたんだよ♪

何ていう篠月様。
何でこんなことになってしまったんだろうか?

「おいっ…。」

“ガラガラガラ”

と教室の扉が開く。

「帰るぞ。」

そこにはもう一人の美形で有名な先輩…ビー様が居た。

「えぇ…今からいいとこなのにぃ…」

知るかと吐き捨てるようにいうビー様がいう。

「もう…もうちょっと俺の都合にも合わせてくれてもいいのにぃ…」

と小言を言いながら俺の上から退く篠月様…

内心ほっとため息をつく。

「じゃあまたね♪東雲颯太君♪」

チュッと手にキスをされる。
その目は俺をしっかり捕らえていて…

“逃げられない”

そう察するには充分過ぎるほどだった。

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