平凡Aと平凡Bの非平凡物語

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「チッ」

思わず舌打ちが漏れた。
俺と違うもう一人のビーとやらは、気絶した。

マグロは趣味じゃねぇので、仕方無くカッターシャツを着せて……。

、………………。

一瞬で、目を奪われた。
比較的に白い肌に浮上る、鎖骨。

顔はまぁ置いておいて、躯の肉付き的に結構、予想通りの適度な肉付きだったんだが…。
鎖骨は予想以上、だ。

この湾曲の仕方や、骨の太さや、何もかもが俺を引きつける。
ゆっくりと鎖骨をなぞると、くすぐったいのか、寝ながら感じてんのか…。
望咲蜂から『んっ…』と鼻に掛かった声が漏れる。

一瞬、ズクッと躯の奥が、燻った。
そのまま、下腹部の奥にジクジクと滞る熱。

不可解さに首を傾げつつ、下腹部を見る。
異常は無い。

「、し…の…」

下腹部に移していた目を、望咲蜂に移す。
眉は顰められて、苦しげにしている。

「…………はっ。」

鼻から漏らした嘲笑は、望咲蜂に向けてか。
それとも……。

ガリッ、と。
望咲蜂の鎖骨に噛み跡を残す。
何故か、俺のモノだと言うシルシを残したくなった。
こんな征服欲、久し振りだ。
クツリと笑いが漏れた。

なにの笑いなのかは、俺にも分からない。
ただ、無性に愉快な気持ちになった、様な気がする。

まだ気絶している望咲蜂に服を着せて、俺はその場を後にした。
 

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