平凡Aと平凡Bの非平凡物語

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ドンッ…!!

空き教室に入った瞬間に床に叩き付けられる背中。
目の前が痛みにチカチカ光る。

「…チッ。」

「ひっ…!!」

ビー様が忌々しそうに眉を顰めて、舌打ちを吐き捨てる姿に、心臓が嫌な音を立てて竦み上がる。

「名前、」

「は、い?」

「サッサと名前言え」

イライラと眉を顰めて、オレを見下ろすビー様に逆らう事なんて出来る訳もない。
ああ、そうだよ。
オレに逆らう勇気なんて無いよ…っ!!!

「、ぼ、望咲、は、蜂で、す…!!」

「蜂………、もう一人のビー、って奴か。」

低く唸る様に言い放ったビー様に、無我夢中で頷く。
とにかく、早くここから解放されたかった。

なの、に。

「び、びびび、ビー、さ、様!!?なななな、何、何を!!?」

「あ゛?見て分からねぇのかよ。服脱がしてんだよ。」

「え、え!?な、なん、なん、で!!?」

「お前のせいで昨日、あれから萎えた。最後までイかなかったんだよ。だから、あの女の代わりでセックスさせろ。」

今、何、を、言われ、た…?
せ、せっ、せっく…す?
せっくす、せっく……―ッ!!?

思考が、停止した。
いやいやいやいや、そ、そう言うのは男と女がヤるモノで合って、ほら、男、だろ?
え?
ビー様も、オレも、男だし、そ、そんなの出来ないってか…え!!?

妙に上半身が冷えると思えば、いつの間にかオレのカッターシャツは脱がされていて、ビー様が男のオレでもクラッとしそうな色気を漂わせて、オレを見下ろして、見下ろして…………………。
ああ、もう、駄目だ……。


オレの残念な頭は一度に色々な事が有り過ぎて、脳内パンクを起こした。
つまり、オレの意識はそこで沈んだ。

…………願わくば、コレが悪い夢であれば良いのに…。
 

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