平凡Aと平凡Bの非平凡物語

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思えば、オレの誕生日はいつも不幸ばかりだ。
例えば、犬のう●ちを踏んだり、女の子にフラれたり、鳥に頭に糞を落とされたり。
まるで呪われているかの様に。

そして、最大の不幸は、7/7、七夕でオレの誕生日の日にやってきた。
それは、昨日。

「あ!!しの、少し待っててくれ。数学の前原先生の所にノート提出しなきゃならない!!」

「分かった、待ってる。」

放課後勉強していたしのとオレは、これからの不幸に気付くことなく呑気に宿題をしていた。
フッと指先に触れる数学ノートに気付いて、慌てて立ち上がったオレのせいで、呑気な雰囲気は拡散したが。

柔らかく笑って見送ってくれるしのが居る教室を後にして、職員室に走る。
ぅわー、前原先生居るかなー……。

………、ん?
女の子の声…?

不意に空き教室から悲鳴の様な、高めの声が耳に届く。
気になって扉の隙間から覗いてみる、と…。

「〜〜ッ!!?」

思わず、声をあげそうになって、口を押さえた。
はだか、の、女の、人が、男………、と、え、えっ、エッチ、を、して…!!?

目の前が、真っ白に染まる。

不意に、男の方と目が合った。
あの人、は………、理系3年で、天才と言われてる…蜂野様…?
オレと違うもう一人の、ビー様。

ビー様はオレを見ると、眉を顰めた。
オレは慌てて目を逸す。
駄目だ、駄目だ駄目だ駄目だ!!
早く、にげな、きゃ、逃げなきゃ、駄目だ…!!!

地面に縫い付けられた様に動かない足を叱咤して、オレは転がる様に職員室に向かった。
それが、昨日。

そして、オレは、二日と経たずにビー様に再会を果たす事となった。
更に言うと可哀相に、引き摺られて、空き教室に向かう羽目になったのだ。
しのもビー様と良くつるんでいる美形、篠月奏に引き摺られてるのが見えた。
…………、オレ達、何かした!!?

取り敢えず…………美形なビー様と一緒に歩く(引き摺られてる)のを、妬んでる奴、前に出ろ、前だ…!!!!!
 

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