妖精の集い

□妖精の集い2
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「なーに、無理にチームを決める事ァねえよ」


ルーシィとナツの喧嘩が終わるのを見計らっていたように、そんな声が辺りに響く。

その声にツナたちは振り返る。


そこにいたのは、二人の青年だった。


片方は椅子に腰掛けて煙草を銜えた、ナツと同じ年頃の黒髪の青年。
もう片方は椅子に座らず机に凭れ掛かる、グレイやナツよりも年上の金髪の青年。

二人に気付いたツナは、頭を下げた。

「あ、グレイさんとロキさん、こんにちわ」
「こんにちわー!」
「……っけ」

山本は笑顔で手を振り、獄寺はそっぽ向く。
それにグレイは手を挙げて答え、ロキもまた同じく挨拶を返した。

「ツナ、あの二人知ってるの?」
「え?ああ、ルーシィさんがいない時に、何度か挨拶したことがあるんですよ」
「でも、まだあんまり話したことないのな」
「へえ、そうなんだ……ロキは知ってるけど、あっちはグレイね」
「あれ?ルーシィは二人のこと知らないのな?」

山本の問い掛けに、ルーシィは頷く。

「まだあたしギルドに入ったばっかだし、ギルドに入ったときしか顔を合わせてないからよく知らないの。……でも、ロキは雑誌にのったりしてるからみたことあったけどね」
「雑誌!?」


そんな会話をツナたちがしている中、グレイはゆったりと煙草をふかすと口を開く。


「聞いたぜ、大活躍だってな。きっとイヤってほど誘いが来る」
「ルーシィ、僕と愛のチームを結成しないか?今夜二人で」
「イヤ……」
「(本当にイヤってほど来てる……)って、ルーシィさん、そんなに大活躍だったんですか?すごいですね」

ツナの言葉にルーシィは眉根を寄せると何かを言おうとしたが、それより早くグレイが口を開く。

「なんでも、傭兵ギルド『南の狼』の二人と、ゴリラみてーな女やっつけたんだろ?」
「ゴ、ゴリラ……(ゴリラみたいな女の人ってどんなの―――!?)」
「っけ、ゴリラなんて十代目なら一捻りっすよね、十代目!」
「いや、そこで変に張り合わないで、獄寺くん!?」








(……てか、それやったの全部ナツ……)
(てめェかこのヤロウ!!!)
(文句あっか、おぉ!!!)
(今度はこっちで喧嘩勃発―――!!?)
(はは、ナツとグレイって仲いいのなー)
(いや、あれのどこが!?)




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