妖精の集い

□妖精の集い2
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「魔法界で一番偉いのは、政府との繋がりもある評議員の10人」

すっ、とミラジェーンは一番上に書かれている文字を指差す。

「評議員?」
「魔法界における全ての秩序を守る為に存在するの。あと、犯罪を犯した魔道士をこの機関で裁く事もできるの」
「さ、裁く……」
「大丈夫よ、よっぽど悪いことをしなければ捕まらないわ」
「少なくとも倒壊や半壊程度なら大丈夫みたいっすよ、十代目」
「(それも十分犯罪だと思うけど―――!!?)」

ツナの内心の叫びをよそに、ミラジェーンは次に下の文字を指差す。

「その下にいるのがギルドマスター」
「お、じーさんのことなのな」
「ええ、そうよ。評議会での決定を通知したり、各地方ギルド同士の意思疎通を円滑にしたり、私たちをまとめたり……まあ、色々ね」
「知らなかったなぁー、ギルド同士の繋がりがあったなんて」

ルーシィの言葉に、ミラジェーンは口元の前で指先を合わせると呟く。

「ギルド同士の連携は大切なのよ。これをおそまつにしてると……ね」
「?」
「何かあるんですか?」

ルーシィとツナが、不思議そうにミラジェーンを見る。


その時。


「黒い奴等が来るぞォォォ!!!!!」
「「ひいいいいっ!!!」」

背後から突然のおどろおどろしい声に、ルーシィとツナは揃って悲鳴を上げる。
ルーシィは椅子から立ち上がり、ツナは椅子から転げ落ちる。

「い、いたた……!」
「大丈夫ですか、十代目!?」
「う、うん……」
「はは、ツナもルーシィも、驚きすぎなのなー」

獄寺は即座に立ち上がると、ツナへと駆け寄る。
ツナは落ちた拍子に打ち付けた腰を擦りながら、獄寺の手を借りて立ち上がった。

「あ、ありがと、獄寺くん」

ツナの言葉に獄寺は笑顔を浮かべたが、すぐに鋭い眼差しでツナの背後を睨む。

「てめえ、なに十代目を驚かしてんだ!!」





「―――うひゃひゃひゃっ!!ひいい、だってよ!なーにビビってんだよ」
「え、あ、……ナ、ナツさん!?それにハッピーまで!?」

ツナは驚きで目を丸くする。
それに対してルーシィは目を吊り上げる。

「もォ!!おどろかさないでよォ!!」
「ビビリルーシィ略してビリィーだね」
「変な略称つけんなっ!」
「なあなあ、じゃあツナの略称は何になるんだ?」
「なんでそれをこっちにもってくるの!!!?」
「んー、ビビリツナで略してビーツ?」
「野菜!?」




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