妖精の集い
□妖精の集い2
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「はぁ……はぁ……、ふ、二人とも足早すぎ……」
あっと言う間に見えなくなった二人を追いかけるツナ。
数分後、ギルドの扉の前に漸く辿り着くなり疲れたように息を吐いた。
「な、何か飲み物貰おう……」
そうややかすれた声で呟くと、ギルドの扉を押し開けた。
「おーい、ツナー!」
「十代目!」
カウンターの椅子に座っていた山本が、ギルドに入ってきたツナに気付くと大きく手を振った。
獄寺もツナに気付くなり椅子から立ち上がり、声を上げる。
「あ、山本と獄寺くん……」
ツナは二人の姿を見つけると、カウンターの傍までふらふらと歩いていく。
ツナの疲れた様子に、獄寺は顔を蒼褪めさせる。
「十代目、大丈夫ですか!?こちらにお座りください!」
「え?っわ!」
獄寺はツナの腕を取ると、山本と獄寺の間の空いていた席にツナを座らせる。
ツナが座ってすぐさま、右隣からカップが差し出される。
「十代目、お飲み物です、飲めそうですか?」
「うん、ありがとう、獄寺くん」
獄寺から差し出されたコップを受け取ると、ツナはカップに口を付ける。
ゆっくりと、だが中身をほとんど飲み干すと、ツナは疲れたように息を吐いた。
「ツナ、大丈夫?」
「はい、なんとか……」
心配そうにかけられた女性の声に、ツナはうなだれたまま反射的にそう応える。
だが。
「……え?」
その声の持ち主が誰かということを考え、やがて思い至ると声の先へと勢いよく振り返った。
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