妖精の集い

□妖精の集い2
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レビィたちとの遭遇から数日後。


「―――それにしても、マグノリアの街って広いね」


辺りを見回しながらツナは、山本と獄寺に喋りかけた。


「まあまあっすね」
「確かに広いのなー、この間の見学ん時も迷いそうだったもんな、獄寺」
「あれはてめえが勝手に動き回るからだろうが!」
「あはは……」

二人の会話に、ツナは苦笑を零す。
そして心配そうな表情で、溜息を吐く。


「……でも、ナツさんたち中々帰って来ないね。あれから結構日が経つのに……大丈夫かな」
「ナツたちなら大丈夫だって、案外もう帰ってたりしてな」
「山本の考えに賛成するわけじゃないですが、昨日俺たちはギルドに行ってませんから入れ違った可能性もありますし」
「……そっか、そうだよね」

ツナが少し安心したように笑う。
その時、山本がどんっとツナと獄寺の肩を叩く。

「じゃあ、ギルドまで競争するか!」
「なんで競争!?」
「その方が早くギルドにいけるだろ?」
「つか、なんでてめえと競争しなきゃいけねえんだよ」
「?負けるのが嫌なのか、獄寺?」

山本がさらりと言った、(恐らく)悪気のない言葉。
それを聞いた獄寺は、眦を吊り上げた。

「……っ、上等だ!てめえなんかに負けるはずねえだろうが!てめえなんか楽勝に圧勝だ!」
「(楽勝に圧勝って……)」
「ははっ!じゃあ競争だな!―――いっくぜー、よーい、どん!」
「なっ!てめ、先に出るんじゃねえ!」


勢いよく駆け出した二人。
置いてかれた形のツナは一瞬呆然としていた、が。


「ちょ、二人共!?置いてかないで―――!!!」


やがて焦ったように叫ぶと、二人を追いかけるべく街の中を走り出した。






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