オリキャラの話

□遭遇〜マグマ団編〜
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「…の出力が…」
「……データを…てる…」
「すぐ……報告を…」

少し会話の内容が聞き取れる。どうやら何かを調べているようだ。ナツとキトは邪魔をしないようにそっと近付く。
二人は近くの茂みから顔を出して様子を窺うことにした。

「「!!」」

そこで2人が目にしたのは、何やら怪しげな赤装束の集団だった。集団の奥にはこれまた怪しげな大型の機械。どうやら何かの実験をしているようだ。

「…何か、ヤバそうだな。とりあえずここから離れ」
「グラエナ、シャドーボール!!」
「「うわあぁああ!!」」

突然、男の声と共に後ろから攻撃を受ける。何とか直撃は免れたものの、ナツとキトは赤装束の集団の前に吹き飛ばされてしまった。

「いってて…キト、大丈夫か?」

ナツは上体を起こし、膝をついた状態で地面に打ち付けた左肩を掴む。

「はい、…でも、ボクら囲まれちゃってますよ」

大した怪我は無いようだが、キトの言う通り、2人は赤装束の集団に包囲されていた。ナツは背中に嫌な汗が流れるのを感じる。

「貴様ら、此処で何をしていた?」
「そういうことは普通、攻撃する前に聞くモンでしょ!!俺達はただ単に人の声がしたんでちょっと気になって見に来ただけで、他意はありません!!」

理不尽としか思えない攻撃をしてきた男の問いに、若干の怒りを覚えつつ突っ込みと共に答える。

「隊長、このガキどうしますか?」
「ガキじゃない!俺はもう15だ!!」

別の男が目の前の男に向かって問いかける。至極子供扱いされることを嫌うナツは、その答えが返ってくるよりも早く反応した。

「何にせよ、試作機の実験を見られた以上、ただで帰す訳にはいかん」

フードの下から見える紫色の髪と瞳、この集団を仕切っているらしい隊長と呼ばれた男は鋭い眼光でナツ達を睨み付ける。
ナツは思わず肩をすくめた。

「悪いが覚悟してもらおうか、小僧」
「だ、だからガキ扱いす…」

ナツの話など聞く耳持たず、赤装束の集団は次々とポケモンを繰り出した。


「…最悪だ」

怒りは一気に絶望に変わった。5年もポケモンの世話をしていれば、一目見ただけで大体のレベルは分かるようになる。集団の放ったポケモンはグラエナとヘルガ―、どちらもかなりのレベルまで育てられている。さらにヘルガ―は炎・悪タイプ、草タイプのキトは当然不利、多勢に無勢とはまさにこのこと、ついさっき旅立ったばかりの自分達が勝てる相手ではない。

(初っ端からこんなのってアリかよ〜!!)

思わず泣き言の1つも言いたくなる。だが、こんな所で諦める訳にはいかない。何とかしてこの場から逃げなければ。ナツは
この状況を打破すべく、頭をフル回転させた。
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