オリキャラの話

□虚偽
1ページ/4ページ

今更な補足

ウチの擬人化設定
人と関わりを持った(主にゲットされた)ポケモンは人の様な姿(擬人化)をする事が出来る。なので基本野生ポケモンは原型のまま。
擬人化していてもポケモンはポケモンなので普通人間と直接話す事は出来ない。が、ジェスチャーや表情から伝えたい事や感情はある程度普通のトレーナーでも読み取れる。
ただし、ポケモンがテレパシー等で話かけてくる事は多々ある。



※『 』内はポケモンの声なので、基本的にナツにしか聞こえていません。


カナズミシティのほぼ中央に位置するポケモンセンター。そこに併設されている宿泊施設の一室で、ナツは死んだように眠っていた。
いくら日頃から鍛えていたとはいえ、旅立ってから2日間、トラブルに巻き込まれ文字通り森の中を突っ走り回っていたのだから、無理もない。しばらくして、ベッドの上がもぞもぞと動き始める。

「っふぁぁ〜よく寝た…ってえええ!?」

ひとつ伸びをして、ようやく起き上った頃にはすでに日は高く、時計は11時を差していた。ナツは飛び起きて顔を洗い、大急ぎで着替えを済ませ部屋を出た。廊下を走ってはいけない、なんて事を学校でも教わったが、今はそれどころではない。大怪我をして瀕死状態のポケモンならまだしも、かすり傷程度のポケモンを半日以上預けるなんて、どう考えてもマナー違反だ。

「す、すいません!昨日キモリとスバメを預けた者ですが!!」

滑り込むように受付へやって来たナツに、ジョーイは笑顔で対応した。

「はい、皆元気になってますよ、…その様子ならアナタの方も大丈夫そうね」

昨日の、ポケモン達より数段ボロボロな姿のナツを鮮明に記憶していたジョーイは安心してトレーに乗った2つのモンスターボールを渡した。

「…はい、すいませんいらぬ心配をおかけして」

ナツはモンスターボールを受け取り、バツが悪そうに鼻の頭を掻いた。

「いいえ、私たちはポケモンの回復だけでなくトレーナーさんの安全な旅路をお手伝いする事も大切な仕事ですから、何かあったら気兼ねなくお近くのポケモンセンターに立ち寄ってくださいね」
「はい、ありがとうございました!」
「お気をつけて」

【捨てる神あらば拾う神あり】とはこの事か、としみじみ思い、感謝の気持ちを込め深々と頭を下げてナツはポケモンセンターの受付を後にした。

「ちょっと早いけど、昼飯食ってから行くか」

壁の時計を見て、ナツはポケモンセンター内にある食堂へ歩いて行った。時間が早いのもあって食堂は人もまばらでかなり空いていた。
カウンターで日替わり定食と2匹分のポケモンフーズを受け取り、4人掛けのテーブルに腰掛ける。

「さぁ、一緒に食べよう」

ナツはキトとオウヒをモンスターボールから出す。2人は空いている席につくとおいしそうにポケモンフーズを食べ始めた。その様子を見てナツも箸を手にする。ふっと辺りに気をやると、食堂のテレビがニュース番組を映している。ナツは何気なくその音声を聞いていた。

【…の取材で、最近ホウエン地方で暗躍している2つの組織が存在している事が判明しました。】

なんとなく、嫌な予感がした。ナツは動かし始めた手を止め、テレビの画面を見つめた。そこには見覚えのある2種類の装束を描いたイラストが映し出されていた。それを目にした途端、ガターンと音を立て、ナツは椅子から落ちた。

【一方は青を基調とした海賊の様な装束のアクア団、もう一方は赤を基調とした山賊を思わせる装束のマグマ団という組織で、どちらもポケモンを使い各地で悪事を働いていますが、その目的は以前はっきりとしていません】

何事かと周りの視線が集まる中、ナツは極力平然を装って椅子に座り直す。

『ナ、ナツ大丈夫…?』
「ああ…何て事ない、大丈夫だ」

心配するキトに、ナツは人には聞き取れない程の小声で返した。アナウンサーはさらにニュースを読み続ける。

【また、一部情報によりますとこの2つの組織は互いに対立しあっている関係の模様です】

『確かあのフユとやらは、アクア団だと名乗っていたな』
『それにあの赤い服の人達って、まさか…』
「そのまさか、だろうな…」

ホウエンで暗躍する二つの相対する組織、アクア団とマグマ団。オウヒとキトの言う通り、全くの偶然であり不本意ではあるが、自分達はその両方に遭遇している。ナツは眉間にしわを寄せ、重いため息をついた。

「もう、考えてもしょうがない、ある意味貴重な体験だったと割り切ろう」

ナツは己に言い聞かせるように呟き、再度箸を手に取った。

「ああ、それと」

ナツは再び手を止めた。

「あまり人前では話しかけないで欲しい」
『?よく分からないけど、ナツがそう言うならそうするよ』
『ああ、了解した』

キトとオウヒは何故いきなりそんな事を言いだしたのかは理解できないが、何時になく真剣な表情のナツに今はそれ以上の言葉を思いつかなかった。
3人は黙々と早い昼食を食べ進める。終始無言の昼食はあっけない程早く終わり、10分程度の休憩をおいてこの旅の最初の目的地であるナツの義父・ツトムが働くデボンコーポレーションへと向かった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ