オリキャラの話

□遭遇〜マグマ団編〜
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新人トレーナーとして意気揚々と旅立って数時間。ナツとキトは早めの昼食をとり終え、最初の決断を迫られていた。

「まずはカナズミシティのデボンコーポレーションに行きたいんだけど…」

ナツはポケナビのマップを見ながらしばし考える。アルノタウンからカナズミまで行くには3つのルートがある。
1つは一番近い町、シダケタウンへ出てカナズミへ向かう道。だがシダケとカナズミを結ぶカナシダトンネルが工事中のため、山を越えて行かなければならず、旅立ち初日では危険が高すぎる。もう1つはトウカシティへ出てトウカの森を抜け、カナズミに向かう道。ある程度整備された道を行くので安全ではあるが、かなり時間がかかる。そして、少し歩いた先にある森を抜けていく道。この森はあまり人が入らず、地形なども詳しくは分からない。だが順調にいけば今日中にでもカナズミへたどり着くことが出来る。

「どうする?キト」
「ボ、ボクは…ナツの行きたい道で異存ありません」
「…そっか、まあツトムさんに挨拶しによるだけだし、折角キトもいるんだ、少し冒険してみるか」

この森には何度か博士と来た事があるし、そこまで強いポケモンはいない事も知っていたので、ナツは森を抜ける道を選んだ。
ツトムとは、ナツにポケナビやランニングシューズ等の道具一式を送ってくれた、義理の父親に当たる人物だ。現在ナツは母親のアキナとその再婚相手の義父・ツトム、そして2人の間に生まれた妹・ユキノの4人家族だ。とは言っても、デボンの開発チームに勤めるツトムは時期によっては何日も家に帰ってこれない時がある。そして今が丁度その時である。わざわざ急がしい時期に道具一式を用意してくれたのだから、お礼の1つ位は直接言わなければ失礼というものだ。

「じゃ、行くか!」
「はい」

ナツとキトは森の方へ進んでいった。

森に入ると、柔らかな日差しの下聞こえるポケモン達の鳴き声、吹き向ける風にそよぐ葉の音、踏みしめる土の感触。普段から身近にある様な何でもないことでさえ、新鮮に感じる。嬉しそうに歩を進めるナツを見て、キトも嬉しい気持ちになる。


そんな様子でしばらく歩いて行くと、何やら人の話し声が聞こえてきた。しかもかなりの人数のようだ。

「こんな森の中で何やってんだろ?ちょっと行ってみようぜ!」
「あ、はい!」

元々好奇心の強いナツは、声のする方へ駆けて行った。キトも懸命に追いかける。
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