沖神Story


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―――あの日のことがまるで夢のよう……



あの日は私たちが付き合ってちょうど1ヶ月の日だったと思う。



「チャイナ」

「サドっ!遅いアルー」


1ヶ月記念なのにサドは15分の遅刻。

まぁ、仕事だからしょうがないけど…

サドは18のくせに真撰組の隊長をしている。

言いたくないけどすごいやつ。


「せっかくの1ヶ月記念なんだぜィ?楽しまねぇといけねぇよ」

「わかってるアル」



そのあとサドと一緒に星空が綺麗な夜の街を歩き回った。

いろんな店に行って

最期にはサドから指輪をもらった。


そう………最期に…









―――ガサッ……



後ろの草の茂みから音が聞こえる



「チッ…クソッ…」

「どうしたんだヨ?サド?」

「チャイナ……ちょっと下がってな…」


と言って腰にさしてある刀に手をかけた。


「どっどうしたんだヨ!!?」

「いいから下がってろ!!!」



ビクッッ



「わっ…わかった」




「――っふ……、やはり気づいていたか…」

「誰だよ…てめぇは…」

「強気だねぇ……でも言っていられるのはそこまで……」

「あ?」




ガサガサガサ………




「ひっ……」


敵が30人くらい出てきた……

どこに隠れてたんだよお前らっっ



「ぞろぞろと……俺にそんなに恨みがあるかィ?」


ガキン…




「やはりやるな……だが殺気は感じない…そこの彼女さんに自分が人を殺している姿を見せたくないと?」

「ごちゃごちゃ喋ってんじゃねー!!!」



ガッ……



刀と刀がぶつかる音が聞こえる……


いくらサドでも30人相手じゃきつい…




「あっ!!!」



サドの後ろに……刀がっ!!!




「サドぉぉぉおお!!!」




ガンガンガンッ



気が付いたら打っていた。

自分の藤色の傘で。



「ちゃっ…チャイナ!!!」

「もういいネ!私も加勢するアル!!」

「やめろっ!!早く逃げろ!!」

「私、やっちゃったアル。だから大丈夫ネ」

「大丈夫じゃねーだろィ!!」


ガッ……



「お前の相手はこっちだ…」

「っく…チャイナ!!怪我したらぶっ殺すからな!!」

「それは私のセリフネ!!!」









ガキッ……

ガッ…



10人倒しただろうか?

倒しても倒してもきりがない。



どうすれば………




「はっ…」

「チャイナっ!!!」



目の前に刀が………




ガッ………









赤い血……

血が流れてる。

でも私は痛くない。

誰の血??



「………ちゃ、ちゃいな…無事かィ…?」

「サド!!?」

「へっ……今の…俺…かっこいい…だろィ…?」

「何ありきたりのことしてるネ!!読者に「このパターンきたよ」って思われるヨ!それに…私は夜兎だからっ」

「彼氏が…彼女のこと…守るの…当たり前だろィ……?」

「サド……」

「やべぇ…もう…俺…無理…かも…」


大量の血が地面に流れている…



「チャ…イナ…」


私の頬に向かって手を伸ばしてきた。

でも、途中で落ちてしまった。




「サドぉぉおおお!!!!!」
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