頂き物

□黒風魔芽様から
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この天才の心をいとも簡単に奪ったあの詐欺師が憎い。

自分は乙女じゃなかったのに、毎日のようにアイツが気になる。
もうアイツしか考えれないほどアイツに溺れてしまっていた。

どれもこれも、全てアイツのせいなんだ!!!


「…先輩の気持ちはわかったんで、それを俺に言わないでくださいッス」


はぁ…とため息をつきながら言う赤也に、ブン太は赤也を見て半ば叫びながら言う。


「じゃあどうすりゃいいんだよぃ!?」

「そんなの告白すればいいじゃないッスか;;」

「あのなぁ〜、出来てればとっくにしてるんだよぃ!!そんくらいわかれバカ!!!だいたいなぁ、男に告られて『はい』って言うと思うか?思わねぇだろぃ!」

「そうッスけど…丸井先輩に告られたら大体の奴はOKしますよ?俺だってそうですし」

「あ〜…気持ちはありがたいんだけど俺、仁王が好きだから。ごめんな」

「え、告白したつもりないのにフラれた;;別に知ってたからいいんスけどね」


と、ここでチャイムが鳴った。


「あ、昼休み終わった。じゃあ俺教室戻るな」

「あぁ、はい。(俺お疲れ)」


ブン太は屋上から去って行った。
残った赤也は、独り言のように呟いた。


「まったく…いつも聞いてあげてるこっちの身にもなってくださいよ…ホント、さっさとくっつけばいいのに」



呟くと、赤也も屋上を後にした。







放課後になり、部活の時間になった。
ブン太は、チラチラと仁王を見る。


「(………)」

「ι;;;」

「(じー。)」

「…のぅ、なんか用かの?;;」

「え?あ、いや…別に…」


そう言いながら他の場所に行く。


「なぁ!!俺ってそんなに見てたか!?」

「ああ、そりゃあもう。ガン見だったぜ…」

「マジ!?うわー俺ちょー変な奴じゃん!!恥ずい!!」

「大丈夫ッスよー、いつもなんで。」

「だってアイツのせいだもん!」

「わかってるから;;それ何回も聞いてるから;;」


いろいろ大変なんで、とにかくブン太を黙らせる。
そして、ブン太は水を飲みに行くと言って水道の方へと行った。


「ジャッカル先輩、このままでもいいんスか?俺は嫌ッスよ。卒業するまで丸井先輩の愚痴聞くなんて」

「俺だって嫌だぜ…あと3年間聞かされるかもしれないんだぞ」

「そこで提案なんスけど、今日2人に一緒に帰ってもらうってどうスか?」

「いいんじゃねぇか?これでちょっとは近づくだろ」

「スね…そうと決まれば…」


なにやらブン太と仁王をくっつける作戦を立て、早速実行することにした。







部活も終わり、ブン太はいつものようにジャッカルと赤也を誘う。


「なぁ、帰ろうぜぃ」

「あぁ、すまねぇ…今日は無理なんだ」

「俺も用事があって無理なんス」

「えーマジ?…じゃあ今日一人かよぃ?」

「あ!!じゃあ仁王先輩と帰ったらどうッスか?どうせ一人だろうしw」

「『どうせ』とはなんじゃ『どうせ』とは。失礼じゃのぅ」

「だってホントのことでしょうが」


仁王と赤也が言い合うのを見ながら、ブン太は言う。


「あーいいよ。今日は一人で帰るからさ、じゃ」


そう言って部室を出て行ったブン太。


「あーもー先輩のせいッスよ!!早く追いかけて一緒に帰ってくださいよ!!!…っていねー!!!」


赤也が気付いた時には仁王はいなかった。




一方ブン太は。

とにかく歩いていた。


「…腹減ったな…なんか食おうかn「丸井!!!」!?!?」


え!?仁王!?なんで?!


「どうしたんだ?;;」

「はぁ…はぁ…どうせなら一緒に帰らん?」

「え…あ、うん…」


ブン太は、仁王の誘いにもちろん乗る。
本当はすごく緊張してるのに、冷静に見せる。


「丸井はどっか行きたいところある?」

「えーっと……ケーキ屋…」

「…ククッ…」

「笑うな!!///別に嫌なら一人で行くし!!」

「誰も嫌とは言っとらんよ。そうじゃな、行くか」


ブン太は手を引かれて、仁王について行く。


「ここじゃろ?丸井の行きつけの店」

「そうだけど…なんで知っt「まぁ、美味そうじゃな」無視か」


店に入ってケーキ屋を買い、店を出て一緒に歩きだす。


途中公園があり、休憩がてら休むことにした。


「ケーキ食おうかな♪腹減ってるし」

「帰ってからにすればええんに…」

「今食いたいの!!」

「そうけ」


バクバクと食べ出すブン太を見る仁王。
最初は気にしなかったが、見られると食べにくい。


「あのさ、見られると食べにくいんだけど…」

「ん?あぁ、気にせんで食べてええよ」

「いや、食いにくいんだっ…もういいや」


ブン太は、言っても無駄だとわかり、諦めた。


すると、いきなりブン太が動きをとめた。
仁王は、声をかける。


「丸井どうしたん?」

「……あのさ、…」

「?なんじゃ?」

「…引くかも…いや、確実に引くけど、聞いてくんねぇ?」

「ええよ?」


ブン太は下を向いたままなので、表情は見えない。
仁王が覗き込もうとすると、ブン太は勢いよく顔を上げた。


「俺さ、仁王のこと好きなんだ。」

「…え…」

「あ、でもその、付き合いたいとかじゃなくて…いや、できれば付き合いたいっつーか…もちろん仁王がよければだけど…気持ちだけでも知ってもらいたかったんだよ!!返事はいらねぇから!!!じゃ!!!」


ブン太は、仁王の返事も聞かずに座っていた場所を立つと、早足に去ろうとする。
が、仁王がブン太の腕を掴んで抱き寄せる。

ブン太は、なにが起こったかわからずに混乱する。


「え…え?」

「嬉しいぜよ…丸井」

「え?ごめん状況がわかんない…」

「俺も好きじゃってこと」

「…!!!…マジ?」

「あぁ、マジじゃ」


仁王の言葉に、ブン太は泣き出してしまう。


「Σそんな泣かんでも;;」

「う、れし涙なんだよ、ばーか!」

「ブン太」

「!おまっ…」


仁王は、反則だろとも言える声でブン太の名を呼び、涙を舐めとる。


「もう泣かんで?かわええ顔が台なしじゃ」

「っ…そんなこと言ったって、かっこよくなんかねーからな!」

「好きじゃよ、ブン太」

「お、れだって大好きだし!」


何はともあれ、無事にくっつけたようでよかったですね。







次の日。


「俺たち付き合うことになったんじゃ!!ちゅーことでブンちゃんには手ぇ出すんじゃなかよ!」


これで愚痴られることもないな、と思っていたら、次にはノロケ話が待っていました。

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