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□離れる
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「せ、んせ、痛い」
「うるせぇ、だまっとけ」
イライラする。イライライライラ。
またこいつは、授業をさぼって高杉とどこかへ行っていた。しかも、よりによって俺の授業。
むかつく。楽しそうに帰ってきたあいつを、掴んで普段使われない数学準備室に連れ込んで、ソファに投げた。
「せんせ、?」
「おまえ高杉となにしてんだよ」
「別になにも……」
「ちっ」
「う、わぁ」
なんだよ。なんなんだよ。俺と付き合ってるんじゃねぇのかよ。お前は。なのになんで、なんで。
「せんせ、どうしたの?」
「どうしたの?じゃねーよっ!!!」
銀時の頬が赤くなるのが分かった。固まって動かない。
「せん、せ」
怯えたように見上げた銀時を、押し倒した。押し倒して首に噛みついてやった。
「う、あ゛っせんせ、痛いよ」
暴れる銀時を押さえつけて、体中に噛みついて、俺の跡を残した。跡が残るようにわざと殴った。
「せん、せぇ、痛いよ。ひっ、ごめんなさい。ごめ、ん、ひっ、ごめん、なさ、い。」
「うるせぇ泣くなっ!!」
俺が叫べば銀時は、ビクッと動いて泣かなくなった。それでも、俺は殴り続けた。
あぁ、唇噛むから血が出てる。ばかだな、お前は。
「銀時」
「ひっ、せんせ、」
あぁ、むかつく。高杉にはくっついて笑うくせに、俺には怯えて泣いて、泣き顔しか見せない。それがどうしても、イラつく。
そっと、銀時の頬に手を滑らせてキスをした。
「ん、はぁ」
口内に舌を滑らせて銀時の舌を絡め取る
「ふぁ、せんせ、」
こうやってキスをすれば、銀時はまた俺に笑顔で好きだと言って
「ふぁ、や。こわ、い」
あぁ、全てが終わった気がした。一番言われてはならないことを言われた。
俺は銀時を離した。銀時は震えて俺を見ようとしない。手を伸ばしてみても、
「銀時………」
「や、」
もう、全てが終わった気がした。
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