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□寂れる
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いつも悲しそうに笑う。
抱きしめてもキスをしても君は悲しそうに笑う。
ただひたすらに君を愛しても、君の心はどこか違う人に向いている。
でも「その人の所に言って良いよ」と言えない自分が情けない。
君を失うことを僕は恐れている。
「銀時」
「ん?どうしたの?」
ほら、また。
君は違う誰かを僕と重ねてる。
「お前は、誰を見てるんだよ」
「え?」
困ってる。銀時が困ってる。
分かってるんだ、こんなこと聞いても銀時が困ることくらいそれでも、自分を見てほしくて俺は銀時を傷つける。
「お前は、俺と誰を重ねてる」
「…………」
「俺のこと、好きか?」
いつもの銀時なら泣きそうな顔で笑って俺にキスをする。
俺は何度こうやって銀時を傷つけてきたのだろう。
そのたびに銀時は俺から少しずつ離れていく、分かっているのに聞かずにはいられない。
「分からない」
初めて銀時から違う返事。
下を向いてるから銀時の顔はみえない。
でも床に落ちる滴から銀時が泣いているのが分かった。
泣かしてしまった。
銀時に嫌われてしまったのだろうか。
「ぎん、ごめ」
そう言って銀時に手を伸ばしたら、驚いたことに銀時が抱きついてきた。
「土方ぁ、好き…」
「ぎ、ん」
「だから怖いんだ。いつかお前がいなくなった時、俺は自分じゃなくな」
俺は銀時を抱きしめた
。そうか、こいつはあいつみたいに俺が離れていくのが怖いのか。
分かっていなかったのは、俺だったのかもしれない。
「土方…」
「はなさねぇよ、ずっと傍にいるから。そんな寂しそうに笑うなよ」
「ふぇ、ひじ、か」
「愛してる」
そう俺が言えば銀時は笑った。
今までみたいな寂しそうな笑顔じゃなくて心からの笑顔。
俺はこの笑顔が見たかったんだ。
もう、小さな銀時の声は俺に聞こえるくらい大きくなっていた。
そして銀時にキスをした。
寂れる
( 君の声が聞こえるまでは、絶対に離さない )
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ここまで読んでくれてありがとうございます(`・ω・´)
短すぎたなw読み応え0 orz
銀ちゃんの昔の恋人はご想像にお任せします。
私は高杉だと信じてるw
ありがとうございました!
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