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□世界の果て
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"運命"とか"永遠"とか、そんなの信じなかった。
信じたところで裏切られた時の反動は大きく、ただ傷つくだけだった。





世界の





銀時は言う「ずっと一緒にいようね」と。
それがどんなに残酷な言葉なのか、あいつは分かっていっているのだろうか。
いや、分かっていないか。



俺はその言葉が嫌いだ。
他にも「永遠」とか「運命」とか「ずっと」とか、いつか人間は老いて死ぬ道にある。
なのに、銀時は俺に言うのだ。
「ずっと一緒にいよう」と。



そういう、銀時に俺は苦笑いをして返すしかできなかった。



「高杉、こっち来て」

「あ?」



事情の後、銀時は必ず俺の温もりを求める。
俺としては、汗ばんだ体を早く風呂にでも入って流したいのだが、それを銀時が許さない。
まぁ、これは惚れた弱み、だ。



「どうしたんだ、銀時」

「別に」

「甘えてんのか?」

「違う」



そう言いつつも、俺の体をがっちり握りしめる。
俺が少しでも動くと、力がどんどん増して逃げられなくなる。



だから、こういうときの銀時には素直に言うことを聞いてやる。
それが一番こいつを安心させる。



しばらくすれば、疲れていたのか俺の胸のあたりから銀時の寝息が聞こえた。
指をこの綺麗な銀髪に絡めて頭を撫でてやれば、気持ちいのか甘えてくる。
それが可愛くて俺は、こいつを甘やかしてしまう。



いつもなら一緒に寝るが、今日はこいつが起きるまで、頭を撫で続けてやろうと思った。



「ん、たか、すぎ」



しばらくすると、銀時から寝言が聞こえてきた。
驚きにもそれは、俺を呼ぶ声でどうにも恥ずかしくなった。



「いか、ないで」



そう呟くと、銀時の目からぽろぽろと涙がこぼれてきた。
あぁ、こいつは不安なのか。
そう感じ取って寝ている銀時にかまわず俺は強く強く銀時を抱きしめた。



「ん、くる、し」

「銀時」

「高、すぎ?」

「好きだ」

「………」

「だから、泣くな」



俺の言葉に安心したのか、銀時が掴む腕に力が入った。
銀時の顔を見れば、顔を真っ赤にして幸せそうに微笑んでいる。



それが、どうしても幸せでしょうがなかった。





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