main
□嫌よ嫌よも好きのうち
1ページ/2ページ
たまたま近藤さんたちと飲みに来た店があいつの常連の店だった。別に知ってたわけじゃない。酒好きだっていうのは知ってたけど。
あいつがこの店の日本酒がうまいって言ってたのを思い出して、来てみただけだ。ただ、それだけ。
「あっれぇ、多串くんじゃん、なに?銀さんの追っかけですか?」
「自惚れんな。誰がてめぇの追っかけなんかやるかよ」
「ひっどーい。銀さんこれでも若い頃はモテモテだったんだからなコノヤロー」
よっぽど飲んでいるのか、頬がほのかに赤く目がトロンっとしていて、凄く色っぽい。
「おい、お前飲みすぎじゃねーか?」
「うるせぇなぁーコノヤロー銀さんだって酒で忘れたいくらいの悩みくらいあるんだよ」
「なんだぁ万事屋ぁ!!お前でも悩み事なんてあるのかぁ」
「うるせぇよ、ゴリラ。俺の気持ちが分かってたまるかぁ!!」
そう叫ぶと銀時は俺の胸に倒れてきて、眠りにつこうとしている。襟がはだけて少し赤みをもった肌がいやらしく、見ているこっちが恥ずかしくなった。
「おい、万事屋。なに寝ようとしてんだよコノヤロー」
「えぇ、寝てないもん!!銀さんは起きてるよぉ」
そういうと俺の首に手を回して肩に頭を置いて寝始めた。おいおいおい。顔が近ぇだよコノヤロー
「土方さん。何にやけてるんですか、気持ちわりぃ」
「にやけてねぇよ!!てめぇ、未成年のくせに酒飲んでんじゃねぇぞ!!」
「まぁまぁ。よぉし、トシ。万事屋を家まで送ってやれ」
「はぁ!?近藤さん何言って」
「いいからいいから」
そういうと近藤さんは、俺と万事屋を無理矢理外に押しだして俺にこっそり「朝帰りでもいいからな」とにこにこしながら呟いた。何だよ。お見通しかよ。やっぱり近藤さんはすげぇな。
「ほら、家帰んぞ」
「ん、」
俺はこいつを引きずりながら、こいつの家に向かった
.