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□離れる
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「せんせ、大好き」
そういって笑うお前が憎くてたまらなかった。
だから、幸せにしてやりたかった。
離れる
いつか消えてなくなる想いなら、いらないと思っていた。恋人とかそんなのいらないと思った。
生理的に起きる欲求を吐き出すために、セフレは作った。だから、この銀色の髪をするこいつもそのつもりだったんだ。
「せんせ、好きです。俺と付き合って下さい。」
恥ずかしそうに俯いて俺の顔を見ないで言う銀色を俺は、可愛いと思った。今までと何かが違った。
"坂田銀時"こいつが俺を変えていった。
「せんせ、ここ分かんない」
「せんせ、大好き」
「せんせ、」
「せんせ、遊びに来たよ」
「せんせ、温かいね」
俺を「せんせ、」と呼んでは笑うこいつを愛しいと思い出したのはいつだろうか。
愛しい感情と共に俺の中では嫉妬が生まれた。
「銀時、お前今日高杉と何してたんだよ。授業までさぼって楽しく。」
「えっ、あれは、俺寝ちゃって……」
「じゃあ何で高杉も一緒なんだよ」
「そんなの、知らないよ……」
「銀時」
「ん、」
体をびくつかせて下を向くこいつに妙に腹が立って殴ってしまった。
「いっ………せんせ、?」
「……………」
イライラする。
こいつの俺に怯えてる目とか、声とか。ほかの誰かにこの紅い目を向けてると思ったら、何かが胸をぐるぐると巻き渦巻いて、それの発散はこいつえの暴力になっていった。
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