Oh,my girl!BOOK
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『お先、』
「あぁ。いいよ。温度はあれ位でよかった?」
『ちょうどいい』
お風呂からあがった名無しさんがリビングへ行くと、ソファーにもたれた臨也が少しだけこちらに振り向いた。
「名無しさん…、」
一度少し振り向き横目で名無しさんを見た臨也は、次の瞬間には大きく体を捻り、ソファーの背もたれに手をつきこちらを向く。
『?』
名無しさんは冷凍庫にしまっておいたアイスとスプーンを手に取り、ダイニングの椅子に座ろうとしていたのだが、ちょこちょこと手招きをする臨也につられてそのままソファーへと向かった。
「ここで食べなよ」
名無しさんの座るスペースを作るために臨也は少し横にずれて名無しさんにそこに座るように促した。
『…うん、』
まぁ、特に食べる場所にこだわりもなく、まして昨日初めて来たばかりの家なのでどこにいてもあまり落ち着かないのだが、取り敢えず家の主人に従いその隣でアイスを食べはじめた。
自分の隣に膝を立てて小さく座る名無しさんは風呂上がりの為薄ら肌を紅く染めていて、水気を含む髪の先には雫が溜まっていた。
いつにも増して扇情的な光景に臨也は小さく生唾を飲む。