Oh,my girl!BOOK

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臨也の部屋はまるで生活感がなかった。

兄の部屋とは違う匂い。

ここは臨也の家。



「いつまでそうやってるの?」

部屋の真ん中で茫然と立ち尽くす名無しさんに臨也が声をかける。

「どうぞ、」

そう言って臨也はカップに紅茶を注ぐ。

促されるままにソファに座り紅茶を飲む名無しさんは借りてきた猫のごとく大人しい。

「もしかして、男の家にあがるの初めて?」

『…え、…うん、』

「緊張してるの?」

そう言って臨也は名無しさんの隣に腰を下ろす。

「意外だなぁ。名無しさんは美人だからもっと経験ありそうなのに。美人過ぎてみんな近寄れなかったのかな?それとも恐いお兄ちゃんのせいかな?」

薄く口元を歪ませて臨也は笑う。


『……臨也のその笑い方嫌い、』

「そんなこと言われると傷つくなぁ」

さっきよりさらに口元を歪めて笑う臨也は全く傷ついた風ではない。





ガシャーン!!

突然の破壊音が静かな部屋に響いた。


「さぁ、俺はシズちゃんと話をしてくるよ。名無しさんはここで待ってて」

そう言って臨也はソファーから立ち上がり部屋を出ていった。




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