Oh,my girl!BOOK

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『臨也、』


自分を呼ぶ少女の声が耳に入ったが、臨也は振り向かずにその手を引いて歩き続けた。



この手を握るのは3度目だ。

だが、少女の手がこんなに温かいと知ったのは今日が初めてだった。


臨也はぎゅっとその手に力を込める。


するとその手は微かに握り返された。




ドキッ…


一瞬大きく脈打った鼓動を無視して臨也は歩き続けた。






適当な所でタクシーを拾い新宿の自宅へ向かう。


臨也は窓の淵に頬杖をつきながら過ぎ行く景色に目を向けていたが、握ったその手は離さなかった。



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