Oh,my girl!BOOK
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あれから2週間が過ぎた。
名無しさんも池袋に慣れ、兄との生活や来良学園での生活が日常となった。
少ないが友人もでき、それなりに満たされた毎日を送っていた。
なのに、いつも晴れないこの胸は何なのか。
「平和島さん、何でいっつも窓の外見てるの?」
名無しさんの数少ない友人の一人、竜ヶ峰帝人が聞いた。
『月を見てるの』
臨也と別れた日、こうこうと輝いていた満月は、どんどん痩せて、日の光のあたる今ではその影を潜めている。
あれから一度も臨也とは顔を合わせていない。
あの顔を思い出すと胸が苦しくなる。
会いたくないけど、会いたい。
臨也にもっと、
笑って、ほしい。
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