Oh,my girl!BOOK

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「いーざーやー!!」

バーテン服を着た金髪の男が標識を片手にすごい形相で走ってくる姿って壮観だよね。


「俺が消えた方がいいみたいだね」

彼女は俺の言葉には反応せず、走り来る兄の姿をぼーっと見つめていた。



面白くないなぁ。

「ねぇ、」







『…ん、』




俺は無理矢理彼女をこちらに向かせてその唇にキスをした。


唇を離すと、彼女の透き通る瞳がまた俺を捉えた。

彼女は最初から表情という表情を全く見せなかったが、この時だけはその瞳が揺らいでいた。


…それでいいんだよ。



「じゃお疲れ、妹ちゃん」

俺はシズちゃんが来る前に彼女のもとから離れ、池袋の闇に消えた。
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